仕事をしなくなった写真家の事務所に訪れる人たちの物語
古希のおかま。グラビアアイドルを目指す女の子。写真家を志す若者。そして妻。
事務所で繰り広げられる出来事はTVドラマか舞台を想像できる。
もともと舞台を書き下ろしただけのことはある。最初から文字でつづられた小説とは少し違う。
小気味良いテンポと何より「ノリ」が随所に感じられる。「落ち」も用意されている。
そして最後には「涙」??
中盤過ぎまでは、どこにでもある夫婦の物語と思って読んでいたら、何やら急に変な展開。
そして、予想外の結末へ。準備していなかった甘い切なさがこみ上げてきた。
なるほど、最初から感じていた「ちょっとした違和感」はこれだったんだと思った。
この作品には夫婦だけではなく、親子、男と女の関係も描かれている。
最初はバラバラだったこの関係が、最後にはすべて1本の糸にまとめられているのには感心した。
こんな物語をどこかでも読んだ気がする。
ドラマや舞台のように、謎解きがわかってしまえば、こんなもんか。と思うかもしれないが
予想もせずに、そこに至った時にはそれなりの感動が味わえる。
それなりの感動を味わいたい人にはお薦め。