友人と見学に向かった法医学教室で出会った姫谷。
病気を治すのも医学だが、死んだ人間の声を聞くのも医学・・・
そのことを姫谷の姿から感じ、法医学の道へと決断した天見。
酒の席で女性はおろか恋愛自体に興味がないと言い切り、周囲を引かせるほどに掴みどころがなくて、食事にも全く気をつかわない姫谷を夕食に招待したことで知る、彼の無自覚な天然さと二人のやり取りが面白い展開です。
全てのことに無関心で人の好意すら分からない姫谷を何とかしたい気持ちに捕らわれた時に聞く彼の告白とも言える言葉。
止まらなくなった天見がしたことで、初めて達してしまった姫谷の戸惑いとなかなか伝えられない自分の気持ち・・・
彼が好きだと自覚していても、どうにもできない気持ちを持て余す天見・・・
どちらも切ないですね。
そして明らかになる姫谷の過去とそのトラウマ。
姫谷の気持ちを理解するまで、すれ違った互いの想いを知るまで・・・なかなか気づけない二人にやきもきさせられましたが、そのことで余計にぐっときました。
天見の言葉攻めの面白さ、姫谷の色っぽさ、庇護欲を募らせる石上教授と恋心を抱く阿部先生といった脇キャラも魅力的で、とても面白い一冊でした!