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今この世界を生きているあなたのためのサイエンス〈2〉
 
 

今この世界を生きているあなたのためのサイエンス〈2〉 [単行本]

リチャード・A. ムラー , Richard A. Muller , 二階堂 行彦
5つ星のうち 4.1  レビューをすべて見る (7件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

地球温暖化は「起きていない」という説は本当か?快適な生活と温暖化対策を両立する方法とは?科学的にみて、将来性のあるテクノロジーはどれか?インターネットで公開され世界中の人々から大反響を呼んだ、人気科学者による名講義の書籍・日本語版。知識ゼロでもよくわかる。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

ムラー,リチャード・A.
カリフォルニア大学バークレー校の物理学教授。マッカーサー・フェロー賞(別名「天才賞」)の受賞者。政府の筆頭顧問を長年務める。米国国会が全米科学アカデミーに要請して行われた地球温暖化の証拠の見直し作業においては、見直しを第三者として審査する審査官を務めた。また、米国PBS(公共放送サービス)や英国BBC放送の多くの特別番組やドキュメンタリーに専門家として出演している

二階堂 行彦
翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

登録情報

  • 単行本: 221ページ
  • 出版社: 楽工社 (2010/09)
  • ISBN-10: 4903063461
  • ISBN-13: 978-4903063461
  • 発売日: 2010/09
  • 商品の寸法: 19.4 x 13.8 x 2 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.1  レビューをすべて見る (7件のカスタマーレビュー)
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第1巻に続いて、物理学の基礎に基づき我々が活用している宇宙技術、そして我々が大いに議論している地球温暖化を解説する。中でもハイライトはやはり地球温暖化の章であろう。

著者は、「『不都合な真実』はプロパガンダであり、科学ではない」と断じる。しかしその意図は、地球温暖化は起こっていないというものでは決してなく、ゴアのプレゼンテーションに多少の誇張と歪曲が含まれていることに国民が気付いた時に、地球温暖化に関する本当に科学的な事実までもが信じられなくなることを恐れているというものである。そこに見えるのはあくまでも科学者としての冷静な目である。

人間の体内では情報伝達物質やタンパク質が様々なところで様々な相互作用を及ぼしており、様々なメカニズムの因果関係はいまだ明確になっていないものが殆どである。本書を読むと、地球の気候を含む自然のメカニズムも同様であり、簡単な因果関係で議論を片づけられないことに気付く。

だから、肯定であろうと否定であろうと、あまりにもシンプルな因果関係で説明される主張に簡単に納得してはいけない。観察される事象を現実として受け止め、それが大いなる危機を招く可能性があるならばその可能性を冷静に受け止め向き合うべきだ。本書の最大のメッセージを私はそう読んだ。
このレビューは参考になりましたか?
10 人中、7人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
地球温暖化の問題について、これまでに読んだ本の中で最もバランスの取れた議論が展開される良書です。

上巻今この世界を生きているあなたのためのサイエンス〈1〉から次々と提示されるサイエンスのすべてが、二酸化炭素の排出抑制策を考えるための科学的根拠として集約される様に、ある種の感動さえ覚えました。

ホッケースティック曲線、シロクマの死、ハリケーンの増加など、地球温暖化の象徴として使われた資料のほとんどが、科学的に根拠がなかったり、間違った使い方をされていたりすることが明らかにされています。『不都合な真実』に至っては、プロパガンダであり、科学ではないと切って捨てられます。著者は、だから温暖化など心配いらないと言うのではなく、それでも二酸化炭素の排出を抑制すべきだと主張します。

著者の依拠する間違いのない事実は以下の二つです。
・化石燃料の消費により大気中の二酸化炭素濃度が上昇していること
・二酸化炭素濃度が上昇すると、物理学の原理(温室効果)により温暖化すること
一方で、観測されている温暖化にどこまで二酸化炭素が寄与しているのかを定量的に説明できる理論がまだ確立されていないというのが著者の立場です。

二酸化炭素の排出抑制のために、著者は年率2%の省エネの実現を提唱します。具体的には、冷蔵庫・エアコン・自動車の省エネ、赤外線反射ペンキによるヒートアイランドの防止、ペブルベッド原子炉の推進などです。摩擦がなければ水平方向の移動にエネルギーを要しないという物理学の法則からすれば、自動車というのは壮大なエネルギーの浪費と言えるものですが、軽量化も含めて、まだまだ改良の余地がありそうです。年率2%の省エネで55年後にはエネルギー効率が3倍にできるのですから、希望が湧いてきます。

環境保護主義者とも温暖化懐疑論者とも異なる著者の主張に共感を覚えました。これまで私は温暖化懐疑論に与しすぎていたのかも知れません。そのことに気づかせてくれたのは、恐怖を煽る印象操作とは違った、サイエンスベースの説明でした。
このレビューは参考になりましたか?
3 人中、2人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By 西山達弘 トップ500レビュアー
1に続いて'2もおもしろい。
我々が普段常識と考えていることが見事に覆されていく。

本書の主題は、最終章の「地球温暖化」である。
ここでも、著者の通説への反論が興味深い。
すなわち
南極の氷の融解は温暖化の証拠ではない。むしろ、温暖化が進むと南極の氷が増大すると考えられてきた。
温暖化でハリケーンの被害額が増大しているというのも事実ではない。物価上昇を考慮すれば、その被害額は一定に近い。
ハリケーンの増加を温暖化の証拠とする主張も科学的ではない。観測精度が向上した結果に過ぎない。
などなど

興味深いのは、自動車に関する指摘で、
水素自動車は体積比のエネルギーで、ガソリンに比べて3分の1しかないため航続距離も短く実用性は困難とし、
電気自動車もエネルギー貯蔵率がガソリンの30分の1のため、重量が相当重いものとなる上、700回充電するごとに交換が必要になるという。
現実的な解決策は、回生ブレーキを活用したハイブリッドと軽量化である。

ここまで読むと、著者が環境破壊へ消極的な人物のようにも思えてくるが、決してそうではない。
明らかに、二酸化炭素排出は人間の経済活動によるものであるし、地球温暖化の作用もあると論じている。

そこで、誰にでも実行可能な地球温暖化対策として、省エネと新テクノロジーを挙げている。
電化製品を省エネ型のものにすること。
持続可能な再生可能エネルギーを活用すること。
二酸化炭素回収貯留技術を活用すること。
など、ひとつひとつ地道に技術を積み重ねていくことが大切としている。

著者は最後にこう言っている。
「最大の敵は悲観的になりすぎること。」
震災と原発に揺れる日本へ向けられた言葉のように響いた。
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