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今こそアーレントを読み直す (講談社現代新書)
 
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今こそアーレントを読み直す (講談社現代新書) [新書]

仲正 昌樹
5つ星のうち 4.5  レビューをすべて見る (14件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容紹介

20世紀を代表する政治哲学者が、なぜいま再評価されるのか。 人間の本性や社会の公共性を探った彼女の難解な思考の軌跡を辿り直し、私たちがいま生きる社会を見つめ直す試み。

内容(「BOOK」データベースより)

「分かりやすさ」を疑う。アーレント的思考が、現代社会を救う!閉塞した時代だからこそ、全体主義を疑い、人間の本性・公共性を探る試み。

登録情報

  • 新書: 232ページ
  • 出版社: 講談社 (2009/5/19)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 4062879964
  • ISBN-13: 978-4062879965
  • 発売日: 2009/5/19
  • 商品の寸法: 17.4 x 10.8 x 1.2 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.5  レビューをすべて見る (14件のカスタマーレビュー)
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24 人中、22人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By nacamici トップ1000レビュアー
形式:新書
3.11後、まったく本など読みたくなくなったが、しばらくしてにわかに「読み直し」たくなったのがこの新書。ツイッターでは「(安全と言いまくるかたちでの)原発容認派」と「原発反対派」の対立が鮮明になり、「日本に希望派」と「日本に絶望派」の温度差が日ごと高まるなか、皆が納得する“正義”や“善”などはなく、それをオープンに議論し続けることで正義や善について考え続けること、それのみが不正義や悪に振れないための在り方である、というわかりにくくてどっちつかずの議論が至極まっとうなものに思えてきたからだ。アーレントは近代化がもたらした大衆民主主義が全体主義の温床になったと考える。政治に参加する権利、発言の自由を与えられ、社会福祉の消費者となった市民は、結局は己の私生活にしか関心のない政治の傍観者、つまり大衆となった。大衆は「世界観政党」の提示するわかりやすい物語を求める。そこに全体主義のつけいる隙ができる。個人の無関心と無責任の総体が国家をゆるがすような危機をもたらす巨悪の正体なのだ。

東京電力、原子力安全保安院の記者会見を繰り返し見ながら、『イェルサレムのアイヒマン』のことを思わずにはいられなかった。東電や官邸を悪者扱いすることはたやすい。だがむなしい。「彼(アイヒマン)が、ホロコーストという『悪』の象徴となったのは、与えられた職務を淡々とこなす、陳腐な役人であったからに他ならなない」からである。日本中の人間が未曾有の原発事故のわが身に及ぼす影響について怯えるなか、「ただちに健康に影響はない」「その件は確認中」「可能性はないとはいえない」を繰り返すロボットのような役人たちと、その影に隠れて姿も見せない彼らの組織の責任者、そして政府・東電は「事実を隠蔽している」と騒ぎ立てるマスコミと何を信じていいかわからなくなって立ちすくむ市民たち。もはや「われわれみんなのためには何が最善か」を冷静に議論できるような状態ではない。

自己保身と自己利益をいったん離れなければ、公共善について真剣に考えることはできないのだとアーレントは主張する。しかしそれは反面、自己保身と自己利益を思い切り語れる空間や集団が片方にある、ということともつながる……といったわかりにくくてどっちつかずのアーレントの立場を、現代日本の文脈に沿ってわかりやすく解説したアーレント入門書。わかりにくさこそが可能性であり救いなのだという思想は、3.11以後の日本にとって貴重なものだと思う。
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5 人中、5人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:新書
哲学って難しものと考えがちですが、実はそんな堅苦しいものじゃないですよ。

私もアーレントに興味を持ってこの本に出会い読みましたが、例を挙げるなど

してわかりやすく説明がなされています。 この機会にアーレントを通じて

現代哲学へ触れてみませんか?
このレビューは参考になりましたか?
10 人中、9人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:新書
数年前にアーレントの『人間の条件』を読んだことがある。

ギリシャのポリスやアリストテレスなどを持ち出されると、結局、そこへ帰れということなのかと、曖昧な理解のまま投げ出してしまった。そして本書である。

アーレントからの引用は少なく、どちらかと言うと、アーレントの思想を借りて、著者の主張を展開しているようにも読める。「分かりやすい」言葉には気をつけろと言いながら、自分は分かりやすい書き方をするという著者の開き直りに逆に好感を持ってしまう私には、著者のひねくれ方が心地よい。

現実の世界の不安や緊張感に耐えられなくなった大衆は、一気に問題を解決してくれそうな虚構の世界への誘いに逃げ込んでしまう。アーレントは、それが全体主義の起源であったと考察し、複雑なものを複雑なままに、オープンに討議し続けることの重要性を繰り返し主張する。本書は、全体主義的傾向に流れやすい日本人に対する警鐘として読まれるべきだと思う。

答えのない問いを問い続けることは、サンデル先生がこれからの「正義」の話をしよう――いまを生き延びるための哲学で言っていることと同じである。もう一度、アーレントを読み直してみようと思う。
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構成はすばらしいのだけれど…
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投稿日: 3か月前 投稿者: 静岡県民Z
分かりやすさを疑え
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投稿日: 12か月前 投稿者: showtime
アーレントを現代の日本に適用するために
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投稿日: 2010/2/16 投稿者: マグネット
「世論」の精神的奴隷にならないために
2009年、ある女性芸能人が覚せい剤事件で逮捕されたときの、マスコミの反応はすさまじいものであった。... 続きを読む
投稿日: 2010/1/3 投稿者: カロン
アーレント政治哲学入門
政治哲学、またはアーレント政治哲学のための入門書です。
「政治」「全体主義」「人間性」「複数性」「自由」など... 続きを読む
投稿日: 2009/10/31 投稿者: カナブンとスズメ
単純な善悪の構図に乗っかる「今」に冷や水
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投稿日: 2009/8/20 投稿者: Moral Minority
自分の担当している業務内容の善悪を考えることなく仕事をするだけの平凡な市民などいくらでもいる
『イェルサレムのアイヒマン』
「自分の昇進にはおそろしく熱心だったということのほかに彼には何らの動機もなかったのだ。... 続きを読む
投稿日: 2009/8/12 投稿者: 沈思黙考
すっごいなっとく
不勉強にして、これまでアーレントの本を読んだことはなかったが、そうだとしても読む価値ありだと思う。... 続きを読む
投稿日: 2009/7/1 投稿者: ジャック・バウバウアー
アーレント的ひねりについて
筆者はアーレントについて正しく解説するよりも、アーレント的なひねりを加えてアーレント
を解説するという痛快なアクロバットに挑戦している。... 続きを読む
投稿日: 2009/6/29 投稿者: 至高の豚
世論が単調になってる―そんな危惧をお持ちの貴方へ
本書は、金沢大学教授で

現代思想に関する多数の著作や

アーレントと似たような難儀な性格でも知られる著者が、... 続きを読む
投稿日: 2009/6/12 投稿者: ☆juri+cari☆
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