またまた、川端裕人の本を読んだ。
今度は「少年小説」というジャンル。転校生だった少年の視点から、学校という一つの社会で起きるいろいろな出来事を連作短編として、まとめている。
作者とちょうど同世代。ちょっと若いけど、当時の学校や社会の雰囲気は、自分にも馴染みがあって、懐かしかった。
子どもにとっては、学校って決して楽しいことばかりがあるところではなかった。現実の社会よりも、むしろ閉塞感のある閉ざされた、濃密な人間関係が、思い出される。
ただ、著者は決して、そういった日本の学校のありかたを声高に批判しているのではなく、むしろ、その現実に健気に立ち向かおうとしている少年たちの成長を温かい目で描いていて、なんだか読んでてほっとした。
主人公の少年の成長が、読んでて甘酸っぱくなる小説。でも単純な成長小説ではない。この人の小説って、どこか違ってて、そこがいい。なんだろう、この感覚は。