津田先生のレシピ本は毎回完成度が高く、プロ級の仕上がりが期待できますが、今回のガレット本はその中でも敷居の高さはナンバーワンと思われます。まず日本人には「ガレット」というお菓子自体になじみが薄く、知っていてもせいぜいブルトンか、ガレット・デ・ロワ程度でしょう。この本ではサブレ、パイの基本の生地にそれぞれ「しっとり」と「さっくり」の2タイプ、合計4タイプを使って、トッピング、クランブル、混ぜる、サンドするの4ジャンルで合計50種類のガレットを紹介しています。
ガレットは基本焼きっぱなしなのでデコレーションの手数はありませんが、大抵のレシピが土台の生地とクリーム、そしてトッピングなどを最低2種類作らなければならない点でまずくじける方が多いと思います。そして手間をかけた割には直径8cmのセルクル6個分しかできず(大型はほとんど18cmが一個)、せっかくの出来栄えでも人におすそ分けするほどの数ができません。このような点からとてもお気軽に試せるというお菓子の種類ではないようです。
レシピの中に、パイ生地を1cm角に切ってセルクル型に詰め丸く整形して焼き上げるタイプがありますが、よくパン屋などで見てどうやって作るのだろうと思っていたので目からうろこでした。他のレシピ本では見たことがなかったので作ってみたらとても美味しかったです。ちなみにここで言うパイ生地は折り込みではなくFPでガガっと作る練り込みタイプなのでそれほど苦ではありません。しっとりとさっくりの違いは卵の有無です。
津田先生の本はほとんどが中級者より上のレベルが対象のようなレシピばかりなので、やはり写真と作成過程がバラバラで初心者の方にはあまりおすすめできません。一般的な焼き菓子を一通り作って、ガレットってどんなものなんだろう、一度挑戦してみたいという中級UPレベルの方におススメです。そしてそんな方でも作成過程自体をじっくり楽しみたい日や、腕によりをかけたい特別な日限定となる可能性は大です。たとえそうであってもこの本は見るだけでも美しいので満足なのですが。