ネタバレを気にしていらっしゃる方が多いかと思いますが、心配無用。
中心となる異母姉妹がとてもよく描けているからです。
とりわけ妹役のシン・ミナさんはちょっとコワイくらいでいささかショック。
徹底的に意地悪でわがままで、怒りをため込んでいます。とりつくしまもありません。
一方、姉の方はのんびりとしていて明るくて素敵です。
姉はさんざん妹に馬鹿にされ、命令され、引きずり回されますが、
<自分は頭は悪いし>と、それを甘受しています。
でも物語が進むにつれ、妹が怒りをため込んでいるのは、周りから愛されていない、親のせいでいじめられていたと信じているからだという事が見えてきます。
彼女は親を恨んでいるんですね。
勉強をがんばったのも悔しさの故です。
この辺の演技は、シンミナさんも見事ですが、子役も抜群です。
冷たく孤独な感じが一貫していて整合性が見事にとれています。
さて、もともと性格が明るく、自分に自信がないから妹の理不尽な仕打ちに甘んじているんだ、と見えていた姉ですが、物語が進むにつれて、実は、彼女は周囲の愛情を信じ、受け取ることの出来る女の子で、わがままで理不尽な妹の仕打ちを受け止めることが出来ているのは、妹を気の毒に思っているからだということが見えてきます。すると今まで情けなく見えていた姉が俄然人間的な大きさを感じさせるようになります。
しかし話はこれだけではありません。
更に物語が進むにつれて、実は、姉は妹に嫉妬しているということが明らかになるのです。
妹は自分では意識していないものの、実は親の愛を存分に受けていて、姉にはそれが分かっていて悔しいのです。
ここに至って、明るい性格だから寛容なんだと見えていた姉が、実は、我が身の不幸に健気に耐えて、努めて明るく生きてきたということが見えてきます。
この映画の魅力は、こういった二重三重の厚い人間的な感情の層が描かれている所だと思います。
ただ、最後の種明かしは、それなりに伏線は張ってあるものの、親自身の人間的な葛藤が描かれていないために、説得力がありません。シン・ミナさん扮する娘の不幸の重さとバランスがとれていません。
もうひともんちゃくあるか、親の重さが描かれるかしていたら、もうこれは本物の世界的傑作になっていたんですがね、残念。
でもそれぞれの娘の不幸は十分描かれているし、今あるものだけでも存分に楽しめ感動出来るので、星5つです。