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私は本書を20年前、広島市で予備校に通っていたときに読みました。田舎から都会・広島に出て、喧噪に驚きつつ、広島という街を理解する一助になるかと思って(笑)。同じアパートに抗争当時を知る職人さんがいたりして、本書に登場する地名一つにも迫力を感じましたよ。
時は流れ、今読むと、本書の普遍的な価値がぐぐっと迫ってきます。本書は単なるご当地本ではないし、狭い特殊な業界の本でもない。名作映画の原作、で終わるものでもない。本書で描かれる理不尽さ、人々の醜さ、逞しさはすべての時代・階層を通じて私たち日本人が共有するものです。自分と無縁ではない。
本書が書かれてからずいぶん時が経ってしまいましたが、時を経たがゆえにいっそう新しい部分が光る本だと思います。
NHKの人気番組・プロジェクトXはみんな知ってますよね。でも、あの番組が好んで取り上げる時代って、一方では本書のよーなことが日本全国で起きてたわけで。「プロX」が私たち日本人の希望のシンボル(?)だとしたら、「仁義なき」は私たちの父・祖父の世代がのたうち回って生き抜いた時代の証拠、正視すべき十字架じゃないでしょうか。
とかなんとか、小難しいこと考えなくても本書はおもしろいです。迫真の、という表現がぴったりなのは映!画をご存知の方ならわかりますよね。でも、エンタテインメントの枠に留まらない、時代を超えた名著です。本書の末尾に引用された美能幸三の言葉にそれは集約されるでしょう。日本企業の影をえぐり出す言葉を、ぜひ味わってみてください。
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