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仁淀川 (新潮文庫)
 
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仁淀川 (新潮文庫) [文庫]

宮尾 登美子
5つ星のうち 4.0  レビューをすべて見る (8件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

満州で敗戦を迎え、夫と幼い娘と共に必死に引揚げてきた二十歳の綾子は、故郷高知県の仁淀川のほとりにある夫の生家に身を落ち着ける。農家の嫁として生活に疲れ果てて結核を発病した綾子に、さらに降りかかる最愛の母・喜和と父・岩伍の死。絶望の底で、せめて愛娘に文章を遺そうと思い立った綾子の胸に「書くことの熱い喜び」がほとばしる。作家への遙かな道のりが、いま始まった―。

内容(「MARC」データベースより)

昭和21年秋、満州から引揚げてきた20歳の綾子。戦後の混乱と復興のなかでの、綾子の苦難と葛藤、最愛の母喜和と父岩伍の死までを描く長編。「櫂」「春灯」「朱夏」に続く自伝小説。 --このテキストは、絶版本またはこのタイトルには設定されていない版型に関連付けられています。

登録情報

  • 文庫: 392ページ
  • 出版社: 新潮社 (2003/08)
  • ISBN-10: 4101293171
  • ISBN-13: 978-4101293172
  • 発売日: 2003/08
  • 商品の寸法: 15 x 10.6 x 1.4 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.0  レビューをすべて見る (8件のカスタマーレビュー)
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8 人中、7人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By カスタマー
形式:単行本
一連の自伝小説(櫂、朱夏、など)を全部読んでいたのでこの本はそれこそ「待ちにまった」一冊でした。主人公綾子の、病弱でわがまま放題に育ったところ、それでいてあっけらかんと自分の非はみとめてしまうような損得勘定のできない性格が自分と似ているように思うこともあって、我がことのようになって一気に読みました。結婚して慣れない田舎ぐらしや戦争中満州で苦労したせいで実家のありがたみがわかるようになった綾子が、最後のお母さんが亡くなってしまうところは涙がとまりませんでした。文章が美しくて安心してひたれる世界です。宮尾作品をよんだことのない若い人にもぜひおすすめします。
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3 人中、3人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By tess
形式:文庫
「終わりの始まり」で壇ふみさんが書かれているとおり、”戦争でも焼きつくされなかった農家の因習”に戸惑う綾子の姿が面白い。姑が朝から働く中、ラジオで英語の勉強に励んだり、田畑を駆け回る美耶の姿に教育の遅れを心配したり。自分の置かれた境遇をよしとしない綾子。挙句、日記をつけて文筆の足がかりとなるのだが、綾子が農作業にすっかり馴染んで忙殺されたり、親にべったり部屋に篭って遊ぶ子よりも田畑で駆け回る子のほうがよしとしていたら「櫂」連作も無かったのだ…そう思えば「朱夏」の極限状態で人間なににでも慣れるものだ…と思っても人間の『性格』と『志向』はあまり変わらないのか?!
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1 人中、1人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
更なる期待へ 2009/2/25
形式:文庫
冒頭に敗戦で乞食同然の姿で満洲より引揚げて来た綾子が、清冽な仁淀川の水の豊かさを見て、満州の水の汚さ、少なさと対比して感動に立ち尽くす場面は印象的だ。

厳しい父岩伍から逃れたい一心で夫に従い満州に渡ったのだが、引揚げまでの苦労は極限状態で、帰って来て岩伍にもう我儘は言わず何でも働くと誓い、反発していた気持ちに変化を見せる。

だが今度の物語では夫要の実家である山間部の農村が中心となり、田舎の因習の深さとそこで生きる姑いちのたくましさの前では、吹けば飛ぶよな存在である事を思い知る。

良きにつけ悪しきにつけ実の子ではない綾子に、強い影響を及ぼした父岩伍と母喜和だったが、最後には相次いで亡くなると悲しみの後は、呪縛から解き放たれた綾子は伸び伸びと羽ばたける気持ちになる。

「櫂」→「春燈」→「朱夏」→「仁淀川」と続いた綾子が主人公の宮尾登美子の自伝小説はこの先離婚、上京と作家への道が暗示されるが、人の事を書く以上、自分のこともさらけ出さねばという決心で書き始めたという思いが伝わり、綾子の更なる物語を期待してしまったのは私だけだろうか。
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