2004年、米国のブッシュ大統領によって、新宇宙政策として、「 1) 国際宇宙ステーションの2010年までの完成、2) 2008年までにスペースシャトルの後を継ぐ有人探査機の開発試験を行い、2014年までに有人飛行を行う、3) 遅くとも2020年までに有人ミッションによって月に戻る」の3つが発表されました。米国では終わりの見えない政府のアフガニスタンとイラクで行われている軍事活動に批判が強くなっていた時期で、「国民の目をそらすために有人月探査という花火をあげたのかな」とレビュー者は政治的な利用を感じました。そしてこの実現のためのConstellation programは2010年、オバマ大統領により中止が発表され、有人月探査は白紙に戻りました。
本作品は米国の宇宙政策が大きく変わる前の有人探査のための技術開発などを紹介するものであり、注意してみる必要があります。
内容は月の科学や探査技術に関する一種のカタログ的な内容で、部分部分は興味深いものもありますが、「科学番組」を前提に考えた場合、月面でデートを楽しむ部分など抒情的に流れた無駄な部分が多く、NHKの複数の人間が制作に携わったためか、「収拾がつかなくなり、とりあえず編集した」という感じを強くうける作品です。