この「興亡の世界史」シリーズの編集委員は「歴史を問うという行為は、現在の位置を見きわめ、現代人が直面している問題のありかを明確にして、これからの人類の進むべき道を問うためにこそある(P17)」という思いで一致しているという。
そして「特定の人びとや文化が特権的な支配権をふるうのではなく、あるいは自由の名のもとに弱肉強食のすさんだ世界を造ってしまうのでもなく、自己への配慮が他者への尊重と相互的な共生へとつながるような、そういう世界を構想することはできないのか(P20)」という問題意識に基づき、これまでの巻で論じられなかったテーマを論じる。
具体的にはモンゴル史学から見た真の世界史像、人口歴史学から見た人類の性質と今後の課題、宗教の意義、アフリカ史の問題、中華帝国と日本の関係の変遷、そして各委員の対談からなる。各トピックとも史学の最前線のホットなものばかりで読みごたえがある。我々現代人の傲慢な見方を反省させられる指摘も多い。
世界史を学ぶ意味とは何か、どんな方法が目指されるのか、我々人類が抱える課題はどう取り組むべきか、読みごたえたっぷりの一冊である。