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人類は「宗教」に勝てるか―一神教文明の終焉 (NHKブックス)
 
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人類は「宗教」に勝てるか―一神教文明の終焉 (NHKブックス) [単行本]

町田 宗鳳
5つ星のうち 3.9  レビューをすべて見る (7件のカスタマーレビュー)
価格: ¥ 1,124 通常配送無料 詳細
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

現在もテロや戦争で多くの人命が奪われている。子や妻、母といった愛する人を喪う哀しみの涙が、世界の至るところで流されている。メシアは汝の隣人を愛せよといったのに、なぜ暴力はなくならないのか、この世に神はいないのだろうか…。エルサレム、アメリカなど世界をめぐり、「宗教」が験される現場から思索し、人類普遍の問いに、比較宗教学の長年の研究成果から挑む。キリスト教、イスラム教といった一神教はいうまでもなく、アジア的な多神教からさえも袂を分かち、“無神教”という新たな宗教の到来を説く衝撃の書。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

町田 宗鳳
1950年京都府に生まれる。14歳で出家し、以来20年間、京都の臨済宗大徳寺で修行。1984年に寺を離れ渡米。ハーバード大学神学部で神学修士号およびペンシルヴァニア大学東洋学部で博士号を得る。プリンストン大学東洋学部助教授、国立シンガポール大学日本研究学科准教授、東京外国語大学教授を経て、現在は広島大学大学院総合科学研究科教授、オスロ国際平和研究所客員研究員(ノルウェー)、国際教養大学客員教授、日本宗教学会評議員。専攻は比較宗教学、比較文明論、生命倫理学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

登録情報

  • 単行本: 262ページ
  • 出版社: 日本放送出版協会 (2007/05)
  • ISBN-10: 4140910852
  • ISBN-13: 978-4140910856
  • 発売日: 2007/05
  • 商品の寸法: 18 x 13 x 1.8 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 3.9  レビューをすべて見る (7件のカスタマーレビュー)
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45 人中、36人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By デルスー VINE™ メンバー
形式:単行本
本来、人間の救済や解放を目指していたはずの宗教(とくに一神教)が、
むしろ人間を抑圧し、世界平和を妨げる最大の要因になっていること、
また、つねに「仮想敵」を想定せざるを得ない構造を持つ一神教よりは、
多神教的なメンタリティーこそが、今後は求められるべきということについては、
すでに同様の議論がなされてもいるし、基本的に同意できる。

ただ、必ずしも多神教ばかりが良いわけではなく、
そこからさらに「無神教」に進むべき、とする理由として、
「多神教たる仏教にも、激しい宗派対立が存在する」
という事実が挙げられるのみでは、完全に説明不足だと感じた。
その直後の部分では、「無神教」のエッセンスを語る教えとして、
華厳経の「四種法界」の思想が、唐突に引用されているのだが、
多神教である仏教一般と、その教えの一つである華厳経が
具体的にどう違うのかはさっぱりわからないままだし、
全く背景の異なるアーミッシュが「事事無碍法界」を実践していた、
とするあたりにも、やや大風呂敷が過ぎるという印象を受けた。

また、ところどころ記述がひどく粗いことも、やはり気になった。
曼荼羅とインダラ網についての説明がなされたあとで、
「ところで最近、日本人技術者が超精密大気汚染測定器を開発したが、
 それによれば地球の反対側で有毒ガスが発生しても、日本で感知できるそうである。
 インダラ網は、古代インド人の想像の産物ではなく、現実だったのである」(p.177)
という一節が差し挟まれているが、これではほとんどトンデモ本のレベルである。

同様に、ユング心理学の基本的概念についての説明の直後に、
「本書を見つけて購入し、呼んでくださっている読者は、
 個性化過程の中で、私の魂と「一なる世界」で共鳴し、
 本書が目にとまって手にするという共時性があったわけである」(p.179)
という記述が続くのには、正直、なんだかなぁ、と思ってしまった。
このレビューは参考になりましたか?
35 人中、28人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By hyrax
形式:単行本
Review−−人類は「宗教」に勝てるか―一神教文明の終焉
 キリスト教が愛や平等の精神に満ちあふれていると思っている方がいたとしたら、ショック療法としてこの本を読むのもいいかもしれません。ただ、比較的まとまっている前半に比べ、後半は雑多なトピックが漫然と配置されている感が否めません。あえてまとめるなら副題が示すとおり、ユダヤ・キリスト・イスラム教などの一神教の独善性を超えて、個人の愛、個人の良心を発揮することで世界が直面している問題に立ち向かおう、ということのようです。既存の宗教組織への嫌悪、個人に潜在する善の本質を強調する点で、いわゆるニューエイジの系統に属する本であろうと考えます。
 掲げたテーマが壮大な分、個々の事例になるとアラも目立ちます。たとえばアメリカの宗教をキリスト教でなくてアメリカ教、と批判するのはいいのですが、地域も時代も無視してピューリタニズムにアメリカ宗教の源泉を求めるのはいかがなものかと思います。また巻末の方で、文明が衝突し合う時代に日本人の持つ曖昧さが真価を発揮する、と書いていますが、同時に日本人は自らの曖昧さを明晰に自覚し、他者に対して論理的な説得を試みなければいけないとも言っています。明晰に自覚される曖昧さ、を理解するのは難しい。
 最後に、国際紛争や民族問題などの原因をすべてそれぞれの関連団体が持つ宗教性(それもかなりステレオタイプ化された)に求める態度にもちょっと問題があると思います。もう少し歴史や国際政治力学などへの目配りがあれば、と何度か思わされました。
このレビューは参考になりましたか?
28 人中、22人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By くにたち蟄居日記 トップ500レビュアー VINE™ メンバー
形式:単行本
 蛮勇ということばがあるが 著者の「語り」は蛮勇に満ちている。

 「21世紀は宗教の時代ではないか」という事を僕自身がいままでのレビューで幾度か言ってきただけに 本書の題名を見ただけで買ってしまった。
 著者の「乱暴なくくり方」に関しては すでにほかのレビュアーの方の言われる通りである。著者の「熱い想い」という筋が一本通っているが 取り上げている素材は その「取り上げ方」において 幾分強引で乱暴だ。

 但し それは作者も承知した上での「確信犯」であると僕は強く感じた。

 世界にあまたある宗教を「断罪」するという趣旨を 出来るだけ多くの人に伝えたいと考えるのであるなら それなりに「ざっくりした」口調は必ず必要だ。おそらく著者は 本書をいくらでも難解かつ格調高く書くことはできたろうが それを避けて あえて「ざっくばらん」な話し方を取った。
 その戦略は 本書への批判を容易にするという点では逆風なのだろうが それ以上に「読ませる」という点には成功している。そうして 本書の趣旨を考えるなら その「読ませる」点が肝要なのだろう。

 著者は宗教家だ。彼が批判しているのは「宗教そのもの」ではなく「宗教に隠れた人間の愚かさ」である。

 考えてみると有史以降 現在に至るまで 人間は宗教と共に歩んできた。

 宗教によって救われた人もたくさんいるだろうが 宗教に滅ぼされた人も膨大な数になっているはずだ。その宗教の両義性を踏まえない限り 僕らは 依然として お釈迦様の手の平の上にいるとしか言えない。しかも そこで時に殺し合いまでやっているわけだから 本当に「救い」がないとしか言いようがない。

 21世紀は宗教の時代だ。「宗教の時代」という意味は「人間が宗教をどう扱うのか」という意味である。この点で 本書は一つの答えを提出しているのだと思う。
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