上巻は「国連」という組織の頂点に位置する安保理に焦点を当てていましたが
後半ではそれ以外の重要な組織(建前は同格でも実際は安保理の下に位置する)や
国連外の組織(NGOや民間シンクタンクに財団等)との連携等、そして今後の課題
について述べられています。
もう少し詳しく書くと以下の通りです。
第5章:国連の活動のソフトな一面
ユネスコやユニセフの活動とその結果について
第6章:国際的な人権の推進
1948年に採択された「世界人権宣言」。これ以降も悲惨な出来事が歴史書には
多々記されています。それを少しでも良い方向へ持っていこうとした人と国との
せめぎ合いについて。
第7章:「われら人民」−民主主義、政府、非政府組織その他の団体
国連はそこに加盟している独立国によって成り立つ組織ですが、世界には
それ以外の(何かに特化した)有力な組織が在り、各組織毎の信条によって
活動を行っています。本章ではそれらの成したことと国連との関係について
述べられています。
第8章:21世紀の約束と危険
第1章から7章までで述べてきたことを踏まえ、国連が抱える問題をもう一度
提議し、そしてそれに対する処方箋を検討。
国連憲章で高らかに謳われた理念はその後の世界情勢と加盟国間(特に安保理
で拒否権を持っている5ヶ国)の思惑により、色あせているのは事実です。
しかし、我々はそれに代わる理念であったり、組織を持ち得ないのも事実。
問題はそれこそ山のように存在します。しかし、それがあったからこそ防ぎ
改善出来た事柄も多々有ります。
改革は必要です。それをより良い組織に変えて、未だ恩恵を受けられない
人々に対して手を差し伸べる。他方では紛争になりそうな事柄を未然に防止する
為にも。
ただその前には過去から学ぶことも必要です。それを望む人にとって材料を
提供している本書は有効な一冊だと思う次第です。