「人類の知的遺産」シリーズに不発はほとんどありませんが
これはそれらの中でも貴重な1冊です。
扉を開けて冒頭の数ページで、すでに内容的なクライマックスが築かれています。
「マイスター・エックハルトは現代人にどのように語りかけるであろうか」と書かれた後に
シモーヌ・ヴェイユの言葉がいくつか引かれ、こう継がれる。
*以下、趣意
彼は神を徹底的に体験した。
神と考えられる神は真の神ではない。
神を神と考えているかぎり、それは我性の引力圏内。
むしろそのような神によって我性がふくらむ。
ゆえにエックハルトは、神自身における真の神を神と区別し「神性の無」とよぶ・・・。
こうした叙述が連続し、充実した、白熱した読書体験ができます。