出版社/著者からの内容紹介
◎本シリーズの特徴
●全巻で、天文学の全分野を網羅し、最新の研究にもとづき、いきいきとした天文学の「現在」を伝えます。
●第一線の研究者が、自分の体験から天文学の魅力を語り、天文学への夢を育みます。
●最新の内容も、意欲ある高校生にも読めるよう平易な記述で、現代天文学の世界にふれることができます。
◎主な読者対象
●理学部・工学部などの学生および大学院生。
●中学・高校教師。
●科学館・プラネタリウム・博物館などの学芸員。
●天文・宇宙に関心のある一般の方々。
著者について
岡村定矩 東京大学大学院理学系研究科(責任者)
池内 了 総合研究大学院大学
海部宣男 元国立天文台
佐藤勝彦 東京大学大学院理学系研究科
永原裕子 東京大学大学院理学系研究科(5章)
●執筆者
阿部 豊 東京大学大学院理学系研究科(5.1節)
池内 了 総合研究大学院大学(1章)
岡村定矩 東京大学大学院理学系研究科(6章)
海部宣男 元国立天文台(4.5節)
郷田直輝 国立天文台(2.4節)
佐藤勝彦 東京大学大学院理学系研究科(2.1,2.2,2.3節,3章)
住 明正 東京大学気候システム研究センター(5.5節)
中澤 清 東京工業大学大学院理工学研究科(4.3,4.4節)
浜野洋三 東京大学大学院理学系研究科(5.3節)
福島登志夫 国立天文台(6章)
松井孝典 東京大学大学院新領域創成科学研究科(5.4節)
松田佳久 東京学芸大学自然科学系(5.2節)
向井 正 神戸大学大学院自然科学研究科(4.1,4.2節)
望月優子 理化学研究所仁科加速器研究センター(3章)
抜粋
近年めざましい勢いで発展している天文学は,多くの人々の関心を集めていま
す.これは,観測技術の進歩によって,人類の見ることができる宇宙が大きく広
がったためです.宇宙の果てに向かう努力は,ついに129億光年彼方の銀河にま
でたどり着きました.この銀河は,ビッグバンからわずか8億年後の姿を見せて
います.2006年8月に,冥王星を惑星とは異なる天体に分類する「惑星の定義」
が国際天文学連合で採択されたのも,太陽系の外縁部の様子が次第に明らかに
なったことによるものです.
このような時期に,日本天文学会の創立100周年記念出版事業として,天文学
のすべての分野を網羅する教科書「シリーズ現代の天文学」を刊行できることは
大きな喜びです.
このシリーズでは,第一線の研究者が,天文学の基礎を解説するとともに,自
らの体験を含めた最新の研究成果を語ります.できれば意欲のある高校生にも読
んでいただきたいと考え,平易な文章で記述することを心がけました.特にシ
リーズの導入となる第1 巻は,天文学を,宇宙−地球−人間という観点から俯瞰
して,世界の成り立ちとその中での人類の位置づけを明らかにすることを目指し
ています.本編である2∼17巻では,宇宙から太陽まで多岐ににわたる天文
学の研究対象,研究に必要な基礎知識,天体現象のシミュレーションの基礎と応
用,およびさまざまな波長での観測技術が解説されています.
このシリーズは,「天文学の教科書を出してほしい」という趣旨で,篤志家か
ら日本天文学会に寄せられたご寄付によって可能となりました.このご厚意
に深く感謝申し上げるとともに,多くの方々がこのシリーズにより,生き生きと
した天文学の「現在」にふれ,宇宙への夢を育んでいただくことを願っています.
2006年11月 編集委員長 岡村定矩