サントラが先→映画が後という順番で体験しました。だから映画を観ていると全部が知っている曲なので「あ、あの曲がこういう風にはまるんだ」という珍しい体験をしました。
で、あらかじめサントラの方には曲にタイトルがついているので「モルヒネ」とか「入水のテーマ」とかはどういうシーンにこの曲が使われるのか予想がついていたわけです。しかし例えば「馬車に乗って」というとても華やかで可愛らしい短い曲があるのですが、これに映像がぴたっとはまったときは、「あ、やっぱり中島ノブユキって天才かも」と思いました。荒戸監督とどういうやり取りがあってこのシーンになったのかは想像するしかないのですが、もし自分が器用で才能がある作曲家だったとしても、こういう曲は書けないかもと思いました(当然ですね、すいません)。
中島ノブユキの音楽を聴いた人のほとんどが「中島ノブユキの音楽は映像的だ」と言います。今回それが証明されたなあと思います。これから中島ノブユキの映画音楽仕事が増えそうですね。
サントラだけを聴いてもやっぱり中島ノブユキ節全開で良いアルバムですよ。「ええ! 中島ノブユキってこんな曲も書くんだ」と驚くような曲もたくさんあって、中島ノブユキ死後には「異色アルバム」として評価されそうです。ちなみに「これはバカラックでしょ」とか「これはマーティン・デニーでしょ」なんて曲もあって、音楽マニアには「ニヤリ」とさせる瞬間もあります。あと、中島ノブユキと言えば、「クラシックの名曲を素晴らしい解釈で聴かせる」という技が有名ですが、このアルバムでもラヴェルのピアノ協奏曲を鈴木大介のギターでやるというすごいことになっているヴァージョンがあって、これまた「もっともっとこういうの聴きたい」という感じです。