読書案内を面白く読むには二種類あると思う。
一つは 論者が論じている本を自分も既に読んだ経験がある場合だ。この場合には 自分が持ったその本の感想、その本への意見と 論者のそれとの差異を楽しむことになる。同じ本に対して 色々な読み方が出来るという事実は 大変勉強になる。また 自分の「本の読み方」を いささか相対化できる点でも 価値がある。
もう一つは 論者が論じている本を自分が知らない場合だ。この場合には 自分の知らない本への論であるだけに 論者の論の是非が判断できない一方 その対象とされた本に興味が出る点が楽しみだ。
本書の著者は 総合商社の勤務の傍ら 幾つかの本を上梓されている方である。同じサラリーマンとして 大変な勉強家なのだろうなと思う次第だ。
僕にとって本書は上記2種類のうち 完全に後者の部類だ。とり上げられている34冊中 読んだことがある本は3冊だけである。そんなわけで僕の楽しみ方としては まだ見知らぬ本の紹介を受けている点にある。
これは本書を教えてくれた会社の同僚の意見でもあるが この34冊の中で米国のピーナッツを上げている点には 正直感心した。そういう本を 著者の年代で読む機会を得て かつ そこに価値を見出すという作業は 中々やれることではない。それがやれる著者の闊達な「知」を感じさせる選択である。
ということで 教えて頂いたいくつかの本は是非読もうと思っているところだ。これが読書の醍醐味なのである。