風太郎翁の諧謔は心に刺さって、その後生きているかののように、きりきりと奥深くに動いて致命傷になる寸前に止まるのである。
いくつか拾う。括弧内はレビュアーの補足ないし感想。
・若い時には誰でも「自分はあんなじじいないしババアにはならない」と誓うのだが。
だれでもてきめんに、ぶきみなくらいそっくり同じジジイないしババアになるのである。
・(大韓航空機爆破事件範囲への同情論は)ただ金賢姫という女性の愛すべき美貌一つで発生したように思われる。
・ほかのことはともかく食い物で商売するひとだけはただ儲かるだけで(食い扶持を稼ごうとして、
他にやることがないから、食うのは嫌いだけど)やることは勘弁していただきたいと願うこと切なるものがある。
・これだけたいくつな芸能を、室町から現代まで伝えたのは、日本人に、能にそれだけの魅力を
感じさせるものがあったからに違いない。