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人間を守る読書 (文春新書)
 
 

人間を守る読書 (文春新書) [新書]

四方田 犬彦
5つ星のうち 3.7  レビューをすべて見る (9件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

古典からサブカルチャーまで、今日の日本人にとってヴィヴィッドであるべき書物約155冊を紹介。「決して情報に還元されることのない思考」のすばらしさを読者に提案する。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

四方田 犬彦
1953年生まれ。東京大学で宗教学を、同大学院で比較文学を学ぶ。韓国の建国大学をはじめ、アメリカ、イタリア、イスラエルなどの大学で教鞭を執り、現在は明治学院大学教授として映画史を講じる。著書に『モロッコ流謫』(伊藤整文学賞)『映画史への招待』(サントリー学芸賞)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

登録情報

  • 新書: 321ページ
  • 出版社: 文藝春秋 (2007/09)
  • ISBN-10: 4166605925
  • ISBN-13: 978-4166605927
  • 発売日: 2007/09
  • 商品の寸法: 17.2 x 11 x 1.8 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 3.7  レビューをすべて見る (9件のカスタマーレビュー)
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16 人中、12人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:新書
本書は様々な媒体に公表された書評およびエッセイを集めた1冊。多様なカルチャー、サブカルチャーの大海から硬軟軽重、誠に幅広い選択による「本の本」である。
なるほど、凄まじいインプット! そしてそれを軽やかにアウトプットしてみせたのが本書というわけで、四方田の良い読者とはいえない評者には判らない面もあるが、なるほど「大衆文化論者の成れの果て」というような感想もあるのか。
しかし、それでも本書を擁護したいのは、エミール・ハービビー著『悲楽観屋サイードの失踪にまつわる奇妙な出来事』といった奇作を知り得たのは、四方田が「週刊読書人」(初出)の書評で紹介してくれたからである。ポール・ボウルズだって四方田が精力的に取り上げなければ、決して作品集が翻訳されることはなかっただろう。こういう紹介者には敬意を払うべきである。ボウルズの『シャルタリングスカイ』は、映画化されたことに伴って文庫でも刊行されはしたが・・・。考えてみれば、あの頃までの日本の出版業界は志があった。
しかし、ビートたけしがボウルズを「偽者」呼ばわりした(ブコウスキーをもちあげるため)こともあってか(?)、その作品集は早々に店頭から消えていった。ボウルズは大作家ですよ。評者が言うまでもないが。
『人間を守る読書』というタイトルについては、前書きでも述べられているとおり、ジョージ・スタイナーの『言語と沈黙』のなかの言葉である。この文芸批評の金字塔のなかの言葉は、批評の使命を端的に示す。「人間を守る」読書、書物の擁護、翻って「人間を破壊する」活動・宣伝への糾弾。
本書に取り上げられる書物はあまりに幅広いために、評者にはとてもその全てを評価することはできない。
が、少なくとも、どの批評も「人間を守る」側の言葉だと思われる。
ヴァレリー・ラルボーの「罰せられざる悪癖」としての読書の位置を、一歩踏み込んだ境位にまで引き上げている面もあろう。その悪癖が「人間を守る」というマニフェストでもあろう。
三島由紀夫に対する高評価などは、違和感を感じるところも少なからずあるにしても。
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5 人中、4人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By モワノンプリュ VINE™ メンバー
形式:新書
 初出の時期順の配列ではないこの書評集で、第1章冒頭を飾っているのがサイード『オリエンタリズム』。そこには「知識人と学者とは違う。知識人の本質とは、自分の学問的な専門領域をひとたび離れて、アマチュアとして現下に生じている世界の矛盾にたいして発言をすること」という言葉も引かれる(p21)。
 続いてジョー・サッコ、若松孝二と、著者のパレスチナ問題への特段の関心が明示された後、蜂飼耳における「日本人を日本という枠組から解放して、ある生の原型を与えてくれる」(p32)ような神話的古層や地理的始原への遡行に触れ、次に村上春樹を手がかりに「文化的なコスモポリタニズムと、それに対するローカリティの問題」(p41)に一瞥をくれる。そして再び、鈴木道彦の在日朝鮮人問題への「関わり」に触れて、「知識人」として「関わる」ことの重要性の再認識を迫る。ここではサルトルの名が想起されて然るべきだろう。
 次に20世紀音楽史における「ジャンルの越境と横断」(p46)の話題を経由して、重信房子の歌集。またもやパレスチナだ。次が伊健次『ソウルで考えたこと』。一転して福間健二の詩論集が取り上げられるが、「直線距離を選ばないこと。近道をしないこと。あえて思いきり遠回りをして、それから本来の場所に戻ってみること」(p57)という一節が、いかにも著者らしい。岡崎京子・村上龍・黒田硫黄を論じた後、吉増剛造と高銀の往復書簡集、その次は読書日記の形式で、『比較の亡霊』や『コーランの新しい読み方』と並べて絵本『てんしちゃん』の画家・南塚直子がハンガリーで学んだことに触れ、ここでも文化的越境の主題が顔を覗かせる…と続けていくとキリがないのだが、主題的一貫性を秘めた読み応えのある書評集。
 著者に寝台での読書を薦められて、ナルホド読書と寝台の縁は深いと気づかされた。論文の1本も書けそうな気がする。それから、蓮實重彦への皮肉や当て擦りが随所に見えるのも実に笑えた。『オリエンタリズム』的な表象の政治性を問題にする立場からすれば、当然だろう。
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29 人中、19人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:新書
四方多犬彦はかつては映画、漫画、文学、政治、その他のマイナー大衆文化を積極的に解釈紹介する文化リーダーだったが、いまや何の専門家でもなければ、なんの面白みもない一エッセイストに堕落してしまった。
該博な知識と経験をどんどん披露してくれるのは良いが、それがどんどん中身薄味のものになってきている。
これだけアウトプットが多すぎれば、インプットする時間もないのは理の当然。
まして筆が荒れて、本書もまったく読める代物ではない。
もっと自己限定して、きちんと対象と正面から勝負したものを読みたい。
昔の四方田は良かったのだが。
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