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精神科医である著者は、精神病の人の心は普通の人の心の世界をつきつめたかたちであらわして
いるにすぎないと考える。そして、病む人や苦しむ人と同じ高さで共に考えようとする。
「うつわの歌」に表れている素直な心と「私たちではなく、どうしてあなたが」という疑問が
組み合わさって、誰も真似できない生き方になっていると思う。
後半は著者のハンセン病との関わりがつづられる。特に「島日記」は、16年間にわたり遠い自宅から
瀬戸内の長島愛生園に時間を見つけては通って診療をした記録。患者や職員と一緒になって
悩み考える姿が強く心に残る。精神的にも肉体的にもぎりぎりの働き方をする彼女が、ふと
往診の途中の道で、美しい自然に心をなごませる場面の描写が印象的。
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