登録情報
|
|
あなたの意見や感想を教えてください:
|
||||||||||||||||||||||
|
最も参考になったカスタマーレビュー
19 人中、19人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
日本人にとって、ベトナムは懐かしい,
By
レビュー対象商品: 人間の集団について―ベトナムから考える (中公文庫) (文庫)
昭和48年、司馬49歳のときにサンケイ新聞に連載された紀行型の文化論である。司馬は文化・文明を論じるとき必ず現地を訪れたそうだ。その目で見、その耳で聞き、その手で触れて、脳裏に民族の歴史を風景画のように描く。イメージが深まってくると、眼前の景色が突然、何百年も遡った当時の風景になるという。そのようにして描いたベトナムの風景がここにある。 ベトナムは朝鮮、日本と同様、中国儒教の影響を強く受けた国だそうだ。中国文明は2500年前から儒教でもって周辺国家を従えてきたが、今に残っているのはこの3カ国しかない。歴史的にいえば世界にたった3人しかいない兄弟のような間柄だが、朝鮮はともかくベトナムについては、筆者はほとんど知識がなかった。その点でまず大変勉強になった。 司馬がベトナムを訪れたのはベトナム戦争が終結した1973年である。したがって戦争に関連する話題がどうしても多くなっているようだが、全体としては歴史的、文化的、思想的にみたベトナム人と日本人の類似性を考察する内容になっている。ベトナム人と日本人は根本的な人間の質がとてもよく似ているらしい。 「いまの日本の企業社会で、同種企業と気が狂ったように競走をしているサラリーマンたちの70%以上は祖父の代まで、太陽の下でスゲ笠をかぶりながら畑の草をとっていた。たった二代で大変化をおこしたこの社会で(中略)、しかし心のどこかで、かつての人間らしい社会へ回帰したいという思いがたえずある」という。ベトナムには現代の日本人が回帰を願うかつての日本がある、だから「ベトナムはなつかしい」という。千年ものあいだおたがいに農耕文化を保ってきたことが民族の根底に共感を生むのである、という。 すでに30年も前の事跡だから(2006年現在)、今はどのようになっているかわからない。が、いつか彼の国を訪ねてみたいと思う。解説の桑原武夫も名著と太鼓判を押す。一読をお勧めしたい。
6 人中、6人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
人間の集団について,
By
レビュー対象商品: 人間の集団について―ベトナムから考える (中公文庫) (文庫)
本書解説にあるように、「第一級の思想書」であると思う。司馬さんは二十歳のころから、ベトナムに行きたかったそうだ。がちょうどその時、兵隊にとられてしまって行けなかったそうだ。だから何十年か経って、ベトナムの空港についた時には本当に感動されたらしい。司馬さんのなかでは、日本・韓国・ベトナムは限りなく近いものがあるらしい。旅日記的な要素も多分に含んでいる。しかし、それ以上に多面的にベトナムを見ている。ベトナムを通して、思想している。 また、司馬さんがアジアのことを語るのは珍しくはないが、このように一冊丸々で。というのは割と珍しい。 中身とは関係ないが、本書内に簡単でいいから、ベトナムの地図がついていればなお良かった。ベトナム戦争から三十年経っているので、ベトナムの地理がぴんと来ない。
3 人中、3人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
人間の本質,
By
レビュー対象商品: 人間の集団について―ベトナムから考える (中公文庫) (文庫)
ベトナム戦争の経緯を一つの例として、資本主義のアメリカと社会主義のソ連、隣接国として影響の大きい中国やカンボジアと当事国であるベトナム、そして日本の国民性について描かれています。どの国の人々も一人一人は個性がありますが、集団として捉えると行動に共通性があって面白いと思いました。国単位の集団でものを捉える場合に一番影響を及ぼすのがその国の自然環境で、その次が隣接国との力関係なのかも知れません。幸か不幸か日本は直接接している隣接国が無く直接の圧力を受ける事が少なかったため、色々な国の文化を取り入れながら独自の文化をじっくりと作り上げる事ができました。それに対し、ベトナムなどは常に隣接国の圧力や侵略を受けながら、それでも豊過ぎる自然環境がゆえにどこと無くノンビリとした集団的人格を形成しています。ベトナム戦争はそれらのあらゆる人格を持った集団が集まり、お互いの正義と権利を振り回した戦争だったのかもしれません。
あなたの意見や感想を教えてください: 自分のレビューを作成する
|
最近のカスタマーレビュー |
|
この商品のクチコミ一覧
クチコミを検索
|
関連するクチコミ一覧
|
|
|
|