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21 人中、19人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
進化する人間論,
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レビュー対象商品: 人間の運命 (単行本)
五木寛之氏のエッセイを読めるという事は私にとって幸運な事だ。特別本好きでもない私は五木氏のエッセイから色々な事を教えられる。本書でも五木氏自身が体験した終戦直後の引き揚げ者の悲惨さ、親鸞の歎異抄を中心とした仏教の深い知識、世界中の人の味わい深いエピソード、そしてこれらの体験や知識から形成された五木氏の死生観、人生哲学などが読みやすい文章で書かれている。 圧巻は最後の章の最後の項目、「闇のなかに光を求めて(心を照らす光)」だろう。五木氏の人間論はますます深くなっていくのだろう。
17 人中、15人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
悪とは状況的な存在であって、普遍のものではない。,
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レビュー対象商品: 人間の運命 (単行本)
人は誰でも生まれながらにして邪悪な心を持っており、状況によっては自然や他人の犠牲無くして生き残れない。だれでも自分が死に直面した時などは「他人を蹴落としてでも生きたい」という自我の生存欲求が瞬時に生じる。 人目がなければ、積み重ねてある一番上の傷んでる本や賞味期限が迫っている一番手前の食品をあえて選んで買う人はいない。傷んだものをおしのけて、自分だけ新しいものを求めるのは自然の行為である。 それは「魔が差した」というような罪を感じて恥じるものではなく、生まれもった本能から来る当然の行動であるかもしれない。 きれいごとだけで表面を繕い悪を押し隠して生きていても、いざという時は「悪のささやき」に従ったり、自分なりの正義や正論を振りかざして他人を押しのけなければ、人間社会や自然界ではのしあがっていけないこともある。 それが客観的にみて罪業であっても、「自分は過去の人生の局面において常に正しい(やむを得ない)選択をしてきたのだ」と割り切って生きていかなければならない。 著者は「生まれ変わり」という意味での輪廻転生には否定的であるが、生まれもった宿命や先祖伝承の宿業を背負って生きていかなければならないという。 「現在は過去から成り立っている」という視点で語られているが、「現在は未来によって決まってくる」とか「現在・未来が変われば過去も変わっていく」いう最近流行りの運命論は展開されていない。未来の進歩・発展のために過去を悔いない程度に受け止めることも大切なのであろうか。 たとえ現実の実体はなにも変わっていかなかったとしても、見方や受け止め方のフォーカスを変えるだけで(著者のフォーカスとは見たいものに焦点を絞るというより、都合の悪い背景をぼやかして忘れること)見えてる現実は変わってくるかもしれない。 結果的には宿命の中をもがいているだけの現世かもしれないが、新しい言葉や新しい見方による希望の光によって、自由意思で運命を切り開いているのだと実感することが大切である。 だれでも自分の中に悪があることに気づき、悪い自分も認めてこそ、初めて他人の悪も許せるようになるのだろう。
8 人中、7人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
時代に迎合しない、毅然とした一冊です,
By 一番星太郎 (栃木県那須塩原市) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 人間の運命 (単行本)
「生まれ変り的前世というものを、私は信じない」そう、きっぱりと言いきった五木さんの言葉が心に響きました。 スピリチュアルブームの昨今ですが、誰の中にも存在する前世や輪廻に対する「あるかも知れない」という思いを否定するのは、大変に勇気のいることです。 その毅然とした態度にはまるで、「王様は裸だ」と、大声で叫んだ少年のような、清々しささえ感じました。 我々は前世が見えるという一部の人達に騙されているのでしょうか? 前世を見る力のない私には知る由もありませんが、どちらにしても自分の力や努力の及ばない世界のことに悩んでも、しかたがありません。 現実をしっかりと見極めて、今日を生きる方が大切であるという考え方は正に、五木さん自身も求めているという、暗闇に覆われた今の世の中を照らす一筋の光であると、感じました。
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