梶は中国人捕虜の死刑に抗議して徴兵免除の権利を失い、入営する。待ち受けていたのは旧軍にはびこっていた私的制裁の嵐と不条理の世界であった。しかし彼は訓練や私刑にも良く耐え、彼の持っていた天分と頑健な肉体が彼を模範的な兵士へと成長させる。そして彼は昇進を遂げ、新兵の教育を任される。しかし彼は古年兵のように振舞わず、生き残る知恵を新兵たちに教える。その中で、新兵たちの信頼を勝ち取っていく。
そして最後に私刑を繰り返してきた古参兵たちに叛旗を翻す。あまりに理不尽な行いをしてきた古参兵は梶の率いる新兵たちの銃口を突きつけられ、手出しができない状況へと追い込まれる。この場面は圧巻である。戦うための組織が内部で私刑等が恒常的に行われいたことへの梶の復讐は軍隊において合法的に行われたのは驚きである。最後の行動は軍法会議ものだが、実力が悪習に打克つ瞬間でもあった。でもこのようなことは例外に違いない。
軍隊内の生活の描写が巧みになされているのには非常に感心した。