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人間の條件〈下〉 (岩波現代文庫)
 
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人間の條件〈下〉 (岩波現代文庫) [文庫]

五味川 純平
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

ソ連戦車隊が国境線を超えた。迎え撃つ日本軍部隊は壊滅。梶は辛うじて戦場を離脱、満洲の曠野を美千子をめざして逃避行を続ける。捕虜になるが脱走、彷徨する梶の上に雪は無心に舞い降りる。美千子よ、あとのなん百キロかを守ってくれ、祈ってくれ…非人間的世界を人間的に生きようと苦悩し、闘った男と女の波乱万丈の物語、三千枚ここに完結。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

五味川 純平
1916‐95年。作家。中国大連に近い寒村に育つ。33年大連一中卒業。満鉄奨学資金給付生となり、東京商科大学予科に入学するも、中退。東京外語学校英語部文科卒業。旧満州の昭和製鋼所入社。43年召集され、ソ満国境を転戦、捕虜となる。48年帰国(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

登録情報

  • 文庫: 598ページ
  • 出版社: 岩波書店 (2005/3/16)
  • ISBN-10: 4006020899
  • ISBN-13: 978-4006020897
  • 発売日: 2005/3/16
  • 商品の寸法: 14.8 x 10.6 x 2.6 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 5.0  レビューをすべて見る (2件のカスタマーレビュー)
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形式:文庫
ソ連参戦で、戦車部隊が国境を越えて押し寄せる。明らかに戦力の劣る日本軍は敗走を余儀なくされ、兵士はつぎつぎと倒れてゆく。勝敗が決まると、中国人の多くも公然の敵となる。人民の味方と一部で期待されたソ連兵たちがもたらしたものは暴行や略奪などからなる幻滅であった。そのような中で、ソ連軍の捕虜収容所から脱走した主人公は、厳寒の満州を、愛する人に向け引いた直線に沿ってひたすらたどる・・・。

 この作品が書かれた時代、社会主義諸国は、まだ、多くの人々に希望と夢を与えていた。しかし、今現在、ソ連を始め多くの社会主義国が偽社会主義国であったことが歴史により審判されている。この段階で本書を読むと、政治的な偏りから自由になったところで素直に読むことができ、よりいっそう根源的なところで戦争批判と人間の条件を考えることとが可能となる。その意味で、20世紀から21世紀に切り替わって、本書がきわめて現代的な書となったということができる。
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形式:文庫
 国境守備隊はソ連軍の圧倒的な軍事力の前に崩壊・全滅した。その中には主人公梶の学生時代・会社時代の友人も含まれていた。梶は生きて妻・美千子に会うために必死の退却を行う。
 彼を慕う部下や途中で合流した敗残兵とともに小戦闘を繰り返しながら家路を目指す。生きるために民間の非戦闘員が巻き込まれることにも目をつぶらなくてはならなかった。しかし必死の逃避行も民間人を連れて逃げていたが故に投降し、捕虜となり収容される。収容所での過酷な生活を知恵を振り絞りながら生き抜くが、かつて梶の目の前で非人道的な行いをした兵士が、今度は収容所内で部下を殺し、梶は復讐のために彼を素手で殴り殺し、収容所から脱走する。一路家路を目指すが、敵国日本人のしたことを忘れない中国人に半殺しにされたり、飢えながらも美千子に会いたい一念で逃避行を行う姿は人間の情念の凄まじさを感じる。
 極限下で生きると言うことの厳しさと人間性を考えさせられる一冊である。
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