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人間の条件 (ちくま学芸文庫) 文庫 – 1994/10


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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

条件づけられた人間が環境に働きかける内発的な能力、すなわち「人間の条件」の最も基本的要素となる活動力は、《労働》《仕事》《活動》の三側面から考察することができよう。ところが《労働》の優位のもと、《仕事》《活動》が人間的意味を失った近代以降、現代世界の危機が用意されることになったのである。こうした「人間の条件」の変貌は、遠くギリシアのポリスに源を発する「公的領域」の喪失と、国民国家の規模にまで肥大化した「私的領域」の支配をもたらすだろう。本書は、全体主義の現実的基盤となった大衆社会の思想的系譜を明らかにしようした、アレントの主著のひとつである。

登録情報

  • 文庫: 549ページ
  • 出版社: 筑摩書房 (1994/10)
  • ISBN-10: 4480081569
  • ISBN-13: 978-4480081568
  • 発売日: 1994/10
  • 商品パッケージの寸法: 15 x 10.8 x 2.4 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.4  レビューをすべて見る (18件のカスタマーレビュー)
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カスタマーレビュー

5つ星のうち 4.4

最も参考になったカスタマーレビュー

48 人中、42人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。 投稿者 Fernald 投稿日 2013/9/9
形式: 文庫
読書人でアレントの名前を知らない人はモグリである。20世紀を代表する思想家であり、主に政治学と哲学の分野で後世に非常に大きな影響力を与えた人物。その中でも本書は最高傑作とされている・・・ことは大学時代から知っていたが、分厚さに圧倒され、30代半ばになるまで読む機会が無かった。今回、たまには思想書を読もうと思って本書を手にとった(アレントの本を読むのもこれが初めて)のだが、とにかく読みにくい。訳は健闘していると評価されているようだが、それでも分かりにくい。そして何よりもハードルが高かったのが、西洋哲学、特にソクラテス、プラトン、アリストテレス、デカルト、そしてマルクスの思想を理解していないと本書を全く理解できないことである。個人的にはデカルトの思想をほとんど理解していなかったので、本書の内容も理解できたとは思っていない。本書を読むのであれば、まずは概説書でアレントの思想を学び、それから短期集中型で読むのがいいだろう。細切れの時間で読み進めて行くのはキツイ。
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124 人中、106人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。 投稿者 gizaemon 投稿日 2006/11/18
形式: 文庫
アレントの代表作として名高いこの著作、文庫で読めるのは

大変ありがたい限りです。公/私的領域を新たな視点から捉えなおした

論述や、action・work・laborの価値の転倒という斬新なテーゼが特に

印象に残りました。ハイデガーの弟子(かつ元恋人)というだけあって、

膨大な教養に裏づけされており、政治学的な色彩が強いと同時に、秀逸

な哲学書としても読めると思います。

翻訳なんですが、アレントのあの読みづらい英語をここまで読みやすい日本語

にした力量には頭が下がります。名訳だと思います。しかし、気になった点が

ないとはいえないので少々。

・全般にわたってactionを活動と訳しています。actionはpraxisの訳語とアレント

自身が述べているので、praxisの定訳といえる「行為」と訳したほうがよいのでは。

・power、force、strengthが権力、実力、体力と訳してあり、かつ入り混じって

用いられているので、原語と照らしあわせないとちょっと判りづらいかもしれま

せん。ここの訳し分け大変だ
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38 人中、31人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。 投稿者 Bibliothekar 投稿日 2011/3/25
形式: 文庫
 頻繁に部分を再読していると背が壊れてしまい、再度購入した。この文庫は初刷3000部という少部数刊行である。版元はナンバーリングを入れたい、という位に計画的に出版されているが、本書は既に18刷で異色である。如何に重要な著作であるかが判ろうというもの。
 本書の学術的な価値は既に定着していよう、志水の名訳も評価が定まっている。そのお弟子さんたちはリチャード ローティの研究者であったり、政治哲学分野で活躍中である。
 さて、肝心の思想史的な意義だが、本書は西洋思想史に置ける公私の概念の変遷史を古代ギリシャから現代まで一貫した立場で分析されており、日本的な公私の違いを理解するには的確な解説であろう。戦後60年を経ても、日本には西欧思想に置ける公私の概念が体系的には受容されておらず、近年の公共哲学研究は著しく進んで来たが、その背景を精確に知るには格好のテキストである。日本ではことに公の概念が政体に絶えず有利に利用されて来ており、酷い例は、 公 = 官 という酷い解釈がマスコミを含めて流布している。その過誤を精確に理解するためにも、本書が果たす役割は大きい。是非ご一読願いたい。
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77 人中、58人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。 投稿者 daepodong VINE メンバー 投稿日 2005/9/24
形式: 文庫
 今流行の「公と私」とか「公共性」を考える際に外せない本です。
 まずアレントは人間の行為と三つに分類しますが、この労働、仕事、活動という分類は、マルクスに影響を受けたものであることは明らかでしょう。それにからめて、ギリシャ時代の「公共性」の概念について議論が展開され、近代になってこの構造が崩れてきたことが述べられています。しかし、いろいろな論者が述べている通り、単純に「公共性の復権」を訴えた著作である、というのは誤読ではないか、と感じています。
 わたくしはアレントのよい読み手であるかどうかはわかりませんが、彼女の著作に共感を覚えている者としては、他の著作に比べて現代日本においての重要性は落ちるような気がしています。
 その理由は、近代民主主義が成立する以前の日本の構造が、ここでアレントが呈示している古代ギリシアのそれとは異なっているということが大きいと思います。ここで展開されている公共構造の転換というものは、日本においては必ずしも当てはまらないのではないでしょうか。
 しかし、このアレントの議論をそのまま日本に当てはめるという愚さえ犯さなければ、その筋道を追うことはこの問題について考えてゆくうえでのヒントを与えられることになるのは間違いないでしょう。
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