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人間の未来―ヘーゲル哲学と現代資本主義 (ちくま新書)
 
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人間の未来―ヘーゲル哲学と現代資本主義 (ちくま新書) (新書)

by 竹田 青嗣 (著)
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Product Description

出版社/著者からの内容紹介

格差の拡大、資源・環境の限界...。
現代の難問に哲学が挑む。


内容(「BOOK」データベースより)

資本主義は今、格差を拡大しつつ地球を消費し尽くそうとしている。その制御がかなわなければ、私たちが近代以降なんとか確保しようとしてきた「人間的自由」は、息の根を止められかねない。近代哲学、とりわけヘーゲルは「自由の相互承認」という重要概念を示し、この問題を考える上でも欠かせない。こうした観点から、誤解にさらされてきた近代社会の本質を明らかにし、巨大な矛盾を生む現代資本主義をどう修正すべきか、その原理を探る。

Product Details

  • 新書: 310 pages
  • Publisher: 筑摩書房 (2009/02)
  • ISBN-10: 4480064710
  • ISBN-13: 978-4480064714
  • Release Date: 2009/02
  • Product Dimensions: 6.8 x 4.2 x 0.4 inches
  • Average Customer Review: 3.8 out of 5 stars  See all reviews (4 customer reviews)
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10 of 22 people found the following review helpful:
4.0 out of 5 stars 内容の濃い包括的な社会思想の好著, 2009/2/28
By 古本屋A (Japan) - See all my reviews
(TOP 1000 REVIEWER)   
近代国家の「本質」を肯定的に捉えながら(普遍ルール社会)、現に直面する問題〜環境問題(温暖化)、資源問題、格差問題に向かうための思想的スタンスを論じるコンパクトながら、内容の濃い好著。また、「現代」社会批判として或る意義を持ったマルクス主義やポストモダン思想の過誤(国家や資本主義の現状批判と本質の取り違え)を示し、改めて本当の問題は何か、どういうスタンスで立ち向かうべきかを描いている。各思想への理解は公平で、経済学や環境問題へも資料を渉猟する幅の広さには驚嘆したい。ヘーゲルの哲学、とくに「法の哲学」と「精神現象学」を駆使しながら、如上のテーマを論じるのだが、前著「人間的自由の条件」のリライト的な面もあって、より分かりやすく練り上げられている。3点問題点を挙げると、ひとつは、ルソーの「一般意志」を高く評価しているが、これはラッセルが正しく、「社会契約論」を読めば分かるように、「一般意志」は直感的で理念的でありすぎ、思想の「基礎」と置くには無理がある。著者はヘーゲルの思想の中枢を「相互承認」に求めているが、キリスト教信仰やヘーゲル哲学体系などの外枠が想定されているところでは「相互承認」は、まだ分かりやすいが、そのような根拠が無い現代の世界で、話し合いで「相互承認」は達成可能なのか、心もとない。「誰にでも明らかな根拠をあげて」説明すれば、意見が相反しても「批判可能」であり故に、最低限の合理性があって、進歩の可能性があると言っている様で、その点はハーバーマスに似ているが、ハーバーマスのように発語内行為を維持しながら合意へと展開させる「方法論」も著者には無い。「明確な根拠」とやらは簡単でない場合も多い。二つ目の問題点は、資本主義の経済問題には言及しても、ウェーバーやフランクフルト学派が展開した「合理化」問題が圏外に置かれている。「合理化」と「資本主義」の結びつきは、広義の官僚制問題を生んでおり、これが、多くの「支配」や「権力」の温床となって、「相互承認」とは無縁の展開を現実社会に強いていることも事実だ。最後に著者は「ゲーム」と言う言葉を使うが、「ゲーム」は終わりがあるし、参加不参加の自由がある。が、現実は「閉じて」おらず、不参加や敗北は生存の喪失を意味する深刻さがある。容易に「相互承認」に至らない所以だ。「ゲーム」という用語はヴィトゲンシュタインからのものだろうが、また「ゲーム理論」という古い経済学の研究分野もあるので、その辺りへの通気孔としての配慮もあるが、こういった分野は全部世間知らずの失敗作の分野で、せっかくヘーゲルや現象学に通暁した著者が関わるべきことではないと思える。
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6 of 15 people found the following review helpful:
4.0 out of 5 stars 人間社会の未来を構想するための哲学的原理は、実は近代哲学の中にこそある, 2009/5/18
 著者は、現代は大きく二つの問題、即ち経済格差と資源環境問題に由来する諸問題に直面しており、その諸問題は、現代社会を崩壊し、近代以前に引き戻してしまう可能性すらはらんでいるが、それでもなお世界は近代哲学が構想した社会の実現に向かって進む以外に方策はない、と主張している。その近代哲学の構想の核は、思想としては著者の言葉で表すところの「自由の相互承認」と「普遍ルール社会」であり、現実態としては近代国家と資本主義である。
 ここで核をなす近代哲学思想とは、ホッブズ、ルソー、ロック、カント、そしてそれらの頂点をなすヘーゲル哲学の中に集約されているもので、この思想を基盤にして考えれば、自由な市民社会において普遍意志を実現し、近代国家間において今なお存在する普遍闘争を終了させ、そのことによって、上記の二つの問題を解決に導き、人間の未来を構想することができるはずである、と述べられている。ここで、著者はヘーゲルに集約される近代哲学思想の核が、一般に誤解され、そのことが今日の哲学を単なる批判哲学にとどめさせ、新しい社会構想を生み出せない理由のひとつであると考えていることを指摘しておこう。
 著者は、資本主義も国家も制御されねばならないが、ここで示した採るべき選択肢については、その具体的諸条件の提示作業を別にすべし、と述べている。だから、現代の諸問題解決のための具体的処方箋が述べられているわけではない。だが、それは本書に対する過剰な期待というものだろう。本書の価値は、生きることに意味と価値を与える「自由」の実現の可能性が、人類一万年の歴史において、この現代に至りはじめて見えてきたことを素直に認め、そして、その可能性を現実としうる原理は、近代国家と資本主義というシステムを否定するのではなく、それらを使いこなすところにのみあり得る、という著者の思想の、その内容が実にまっとうであり、現代社会に絶望の代わりに希望を与えるに値するものである、というところにあると思う。まさに、哲学の原理とはその本性からして、人間にとって単純で分かりやすいものであることが示されている。
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11 of 32 people found the following review helpful:
3.0 out of 5 stars 自由の理念はわかるが、現実は窒息状態にある, 2009/2/22
By 野火止林太郎 (埼玉県) - See all my reviews
(TOP 500 REVIEWER)   
『人間的自由の条件』のエッセンスを最近の経済的危機の情況に鑑みて味付けした、その意味ではコンパクトにして親切な本ではある。

特に著者自身の主張を、他の論者の考えとしっかり対比させ、キー概念を繰り返し言葉を変えて懇切丁寧に説明してるあたり、大変好感が持てる。

ホッブス、ルソー、ヘーゲルが提示した近代国家、近代社会、資本主義の理念は、乗り越えられるものではなく、マルクスもポストモダン思想も、その基礎のうえに立った現状批判であり、相対主義であったというのが、大まかな著者の主張だ。

「自由の相互承認」による普遍消費の「ゲームルール」社会。その基礎たる資本主義社会は、絶対的な前提である、ということを意を尽くして解説される。読了後、しかし、そのゲームルールも「自由の相互承認」も、「普遍消費」さえ、全然実現されず、明日の生命をもままならない多くの人々が世界に、日本に溢れているのだがなあという感想を持つ。

竹田の言う理念としては、哲学思想としてはという物言いがわからぬではないし、理論の重要さをわかっているつもりではあるが、結局政策的には社民的にやるしかないということか?
修正主義の一種だなこれは。

自由のその後という問題構成もある。小林慶一郎という官僚出身の経済学者が、えらく荒っぽい思想問題を提起したものだ(『逃避の代償』)。「自由というものの虚しさにどう耐えるか」というテーマで、経済学的な考察の後に、突然のように置かれた終章だった記憶がある。

しかし、繰り返すが、竹田的自由は現在ますます窒息しかかっているのだがなあ!!!
(これでは、本書を読めていないとのお叱りを受けるでしょうな)
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