人間として生きてほしいから 笹川陽平 海竜社 2008
笹川陽平ブログをまとめたもの。
ブログでも分かるが笹川さんはほとんど日本に居ない、そして海外での滞在日数も数日というのがほとんど。ということは、渡航した国の数が非常に多いのだ。その中から訪問した国をいくつか紹介している。笹川版地球の歩き方の人間交際術編とでもいうのだろうか。
トンデモないタイムスケジュールをこなし、日本での財団の業務の決済もしなければいけない。最近何冊かの著作を読ませていただいて、正直、笹川陽平という人の評価が変わった。ご自身の著作の中でも書かれるが、尊父がA級戦犯であるとか、右翼であるとか、ギャンブルでのテラ銭で活動しているとか、どれだけ非難中傷されてきたか。
私自身はハンセン病に関して興味があり、笹川氏の活動を知るために読み始めた。もちろんSG2000(sasakawa global 2000)と言う、アフリカで農業プロジェクトは知っていたし、他の医療活動も少しは知っていたつもりではいた。しかし、単なる財団のリーダーではない事が本書で良く分かる。本来の外交とかパートナーシップと言う文脈はまさに笹川さんの様な活動であり人間関係の構築なのだと思う。
ハンセン病制圧(人口1万人あたり感染者一人以下)の対象国はネパールとブラジルの2カ国だけになったこと、中国との長い友好関係の構築(軍事交流の話は面白い)、ピグミー族とのダンスの話、北朝鮮日本人妻帰国問題の苦悩等々。
現場に足を運び、ハンセン病患者や回復者に直接触れ合い、励ます姿は称賛に値すると思う。もちろん笹川氏はそんな事を期待して世界中を飛び回っているのではない事が本書から良く分かるのである。