テオドール・ジェリコーの勉強をしていて偶々手にした、タイトルで損してる一冊。図書館でもいつも倉庫に仕舞われていて、もっと人目にふれてほしい本。広く、ほどほどに浅く、誰かが笑えば誰かが泣いている事実を、とてもさらりと書いていて読みやすい。愛と平和なんて元来別個の物を混在して考えてしまう、言触れ迷妄によって濁ってしまった頭に往復びんたを食らわせるような一冊。好著。
「追記」
久しぶりに再読してみると、リンダキューブ、という作品の入門書に最適であることにハタと気付きます。お互いの邪魔をしない程度に世界を共鳴させていて気持ちがいい。浸っていると日付が変わっていることもしばしば。江戸時代のここまでは海だったのですよ、みたいな石垣と石碑を前にその当時の有り様を夢想することと同じことです。