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ある時は、ほんのささいな細部の、くどく綿密な描写や(機械のカタログの抜粋まであります)、またある時は、実にロマネスクな物語が、この建物には隠れています。女中用の階段やエレベーターのシャフトにさえも。
そしてそれら全てが渾然一体となって、このパズルを構成しています。
しかしこのパズルは、それぞれの構成要素の研究からは全体像を理解できませんし、部分の全体は、パズルの真の目的であるはずの如何なる結論も、我々に与えてくれません。
しかしながら、この作品の見かけの乱脈に、惑わされるがままで本を閉じてしまっては勿体無いと思います。
全ては巧みに計算し、適当に書いて適当に挿入したものなどない、と著者は語っていました。
作者の才能を考えると、私はまだほんのわずかの部分しか、この作品を理解できていないように思います。
思えば、ジョルジュ・ペレックが十年をかけて考えたことを、私が一週間程度で消化できるはずがありません。
長い付き合いになりそうです。
チェス板様迷宮の中を三人の人物とともにさ迷い歩く。この迷宮の壁板の向こう、階段の反響する足音の先、机に積もったほこりの裏には凝縮された歴史と世界がひそんでいる。ピースを並べていくこと、物語を語ること、そして言葉を読み進むこと、全てが、XとYにぽっかり開いた収斂できない終焉へと歩みを進めていく。
こんなふうに、わたしは読んだ。
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