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人生論 (角川文庫)
 
 

人生論 (角川文庫) [文庫]

トルストイ , 米川 和夫
5つ星のうち 4.6  レビューをすべて見る (5件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

出版社/著者からの内容紹介

「人生とは何か」「なぜ人は苦しむのか」トルストイが晩年にたどりついた人生観は悲痛な心の叫びといえる。人生、欲望、愛……ひとつひとつ、心の奥底から考え、人が生きることの意味を誠実に考察した魂の書。

内容(「BOOK」データベースより)

「愛は真実の生命に満ちあふれた一つの活動である」「死んだ人人の生命はこの世から消えてしまうものではない」―。トルストイが晩年にたどりついた人生観、世界観は悲痛な心の叫びである。真の人間生活、理性的な生き方、存在と死への恐怖、そして宗教とは…ひとつひとつ、心の奥底から考え、「人生とは何か」「なぜ人は苦しむのか」の意味を誠実に考察した、魂の彷徨を伝える書。

登録情報

  • 文庫: 297ページ
  • 出版社: 角川書店; 新版 (2004/05)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 4042089267
  • ISBN-13: 978-4042089261
  • 発売日: 2004/05
  • 商品の寸法: 15.4 x 10.4 x 1.4 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.6  レビューをすべて見る (5件のカスタマーレビュー)
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By ひろ×3 トップ50レビュアー
数多くある人生論の中でも、もっとも重厚な構成で内容が立派な

ものが本書である。

時に難しいとも評される本書だが、確かにキリスト教についての

或る程度の基礎知識がないと分かり難い事があるかもしれない。

それでも大事なところは繰り返し言葉を代えて述べているし、

具体的な例えも書かれているので読み込めば理解できると思う。

さて本書は人間の理性と愛を重視している点が特徴で、

科学技術偏重の風潮に対しては痛烈な批判をしている。

「外界に対する理性的意識の関係は肉体が滅びても消えることはない」

として理性の大切さと不滅さを説く。

また、「快楽の追求は限界まで近づくと、それを失う恐怖のために

苦痛となる」「自分を捨てて、すべてを分け隔てなく愛することが

必要だ」「究極的な愛の形は幼子の『ぼくはなんだっていい』という

言葉にある」として愛の大切さを説く。

しかしキリスト教とは一線を画し、信仰ではなく理性による判断が

大切だとしている。

これらを実践できると、とても立派な人間になれそうな気がするが、

とても難しいことではあるだろう。

老齢になり達観できなければ中々このような境地には辿り着けない。

そもそもトルストイ自身が、晩年において理性と愛を踏まえた行動を

とったのか疑問には思う。

ただし、トルストイの小説や、この人生論が未だに多くの人々に

読まれている事実は、確かに理性の不滅性を実証しているように

思える。
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By hirock
トルストイが人生というものにたいして、はっきりとした結論を書いている作品である。

作家であり、社会運動家、敬虔なキリスト教徒でもあるトルストイの考察は、しかし、意外にも仏法に極めて近いか、仏法そのものが説く哲学を論じている。(実際に読んでみると彼も仏法を研鑽している片鱗がうかがえる。)

一部を挙げてみるならば、彼が説く「愛」とは、仏法的には菩薩行そのものであり、「理性」とは、仏法で説くところの宇宙的な法、生命の法、妙法と重なる。また、彼のいう「動物的な自我」は、六道輪廻に該当する。その他にも彼のいっていることには、仏法の煩悩即菩提、業、縁起観、永遠の生命、宿命転換、境涯革命などの内容があり、言葉は違うことながらも言っていることは、仏法そのものであり、驚愕する。

読者は、トルストイのように真のキリスト教徒であるならば、仏法哲学と相反することはありえないことを知るであろう。この点、なぜ教会が彼を現代でさえ破門にしたままなのか理解に苦しむ限りだ。
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2 人中、2人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
Amazonが確認した購入
 トルストイは文豪としてしか知らず、彼の著書にこのような私的な人生論があるとは知らなかった。読むと意外に内容は単純である。文豪こそ複雑な人生論を持つかと思いきや、そうではない。しかし、この単純さの中にこそ、真実力強い人生観が潜んでいるように思える。

 「訳者あとがき」は、至極簡潔に当該著書を解説している。訳者あとがきから、以下引用する。
 掲題の結論について、「そこに説かれている思想は、せんじつめれば、愛の一語につきる。つまり、人間は、肉体と肉体にやどる動物的な意識を理性に従属させること、いいかえれば、自我を否定して愛に生きることによって、同胞あいはむ生存競争の悲劇から救われるばかりか、死の恐怖からも救われる、なぜなら、そのとき、個人の生命は全体の生命のうちにとけこんで、永遠の生命をうけるからである。キリストの説いた隣人愛の教えがトルストイの思想の根底にすえられているのだが、しかし、かれの人生観はどこまでも現世的で、理性によってすべてをわりきろうとしているから、キリスト教の神の観念のかわりに、人間の集団意識、人類の意識といったようなものを正面におしだして、それに究極の救いを見いだそうとしているわけである。」

 他方、トルストイがこうした人生論に取り組む私的な事情についても、興味ある指摘が訳者あとがきに続く。「しかし、こうしてこの「人生論」を読むと、自分の思想を世にひろめようというトルストイの意図よりも、むしろ、自分で自分を説得しようという試み、つまり、自分の納得できない人生の不条理になんとか合理的な説明をくわえて、安心立命の境地にたっしようというかれの努力のほうが、いっそう、強く感じられるようだ。」

 さて、トルストイの人生論と、ヒルティの「幸福論」は比べようのないものとは思うが、敢えて言うならば、トルストイが人生の理論編を扱うなら、ヒルティは人生の実践編を扱うように見受ける。両者ともに、キリスト教の思想を土台として、その人生論が成立している。
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