消化器・腸管は発生上、最初に登場するシステムです。
そもそも神経系も、免疫系も、内分泌系も全て、腸を生かす為に生まれて来たシステムであります。
実は我々はミトコンドリアを得た事で「食べる事」が出来るようになったのであります。まずは腸ありき。まずは貪食ありきでございます。その証拠に消化管から分泌される様々な分泌物質やペプチドホルモンと脳内の神経伝達物質は大変よく似ております。例えばセロトニンも脳内神経伝達物質と認識している人が多いと思いますが、実は腸管内に存在するセロトニンの方が圧倒的多量で御座います。こっちが先なんですから当たり前ですよね。
最近は“Brain-Gut Axis”(脳・腸管連関)といいますが、本当は“Gut- Brain Axis”です。
実は腸が先なのです。また、英語に“Gut Feeling”という言葉も御座います。「第六感」という意味だそうです。五感以外に「腸で感じる」ってとこでしょうか。でも、これも本当は「第一感」と言った方が良いかもしれません。何たって腸が先なんですから。消化管からの情報が「第一報」なのであります。
我々はミトコンドリアを得て「貪食(どんしょく)」出来るようになり、エネルギー産生が飛躍的に効率的に成りました。細胞は大きくなり、やがて多細胞化(6億年前)して、更に巨大化できたのであります。まさに「ミトコンドリアが進化を決めた」のでございます。その後、異物や細菌を「貪食」して、防衛反応・生体防御にも使うようになりました。粥腫(プラーク)内のコレステロールも、実は異物として認識され、食細胞に貪食された酸化LDLの「成れの果て」で御座います。更には「オートファジー」といって古くなった細胞内小器官の処理にも使うようになりました。環境整備そのもので御座います。間歇的断食(IF)はUbiquitin-Proteasome Pathway を適度に活性化して、Autophagyを誘導してくれます。ボケたくなければ、オートファジーでアミロイドベータ蛋白等のゴミをどんどん分解消去いたしましょう。
まずは「食ありき」。
つまり全ての上流に「貪食」があるのです。
それほど真核生物にとって「食べる」とは根本的な行動なので御座います。
ミトコンドリアは「諸刃の剣」です。ATPを沢山作ってくれますが、その過程で必ず活性酸素(ROS)が発生して参ります。この活性酸素(ROS)が細胞を錆付かせ、老化や病気の原因になります。そして食べれば食べるほどこの危険な活性酸素(ROS)が沢山発生して来ます。まさに「食べるストレス」です。決して「ストレス喰い」ではございません。従って、ミトコンドリアを労わるには「食べることをコントロールする事」が大切になります。
「メタボエイジング」。
「食べるとは生きるため」、そして同時に「食べるとは死に近付くこと」でもあります。健康に長生きしたければ、食べるもの、食べる回数はくれぐれもよく考えた上にしましょう。「無駄食い」はされない事で御座います。腸の重要性を教えてくれる良著です。皆様にお勧め出来ます。