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この本を読んで思うことは「一個人の実体験ほど
人間の興味を引く話はない」ということである。
私には以下のことばが強く印象に残った。
「名のあるグル(尊師)やババ(尊者)などいなくても
人は成長できる。人生の師は子ども、末期患者、掃除婦
などあらゆるかたちをとって目の前にあらわれる。
だれかを助けるということに限り、世のいかなる学説や科学も
他者に対して、こころを開くことを恐れないひとりの人間の
力にはかなわない。」
これはロスが人生の中で大きな示唆を与えてくれた
ある掃除婦について語っ??部分である。
特に前半部は(私の好きな言葉でもある)吉川英治師の
「われ以外、みな我が師である」という言葉に通じると思う。
ロスがどのように持論を生み出したか、その背景を知ることが
できる興味深い一冊である。
その真摯な眼差し
一人の人間のパワーとは到底思えない活動力
行動を起こしては阻害され、それでもめげずに
それを「試練」として受け止める
強靭な精神の裏にあるものは何か。
それは「愛」に他ならない。
死への五段階を経て安らかな光の世界へ羽を広げる
蝶の象徴。
その最期があるからこそ今ここにある命の意味が解かれる。
命あるうちにする使命は愛を与えること
愛を与えるにはまず自分をゆるすこと、愛すること
キリスト教的な部分もあり、カルト的な部分も
隠すことなく書かれているが
根本思想は熱く伝わってくる一冊である。
なぜ生きているのか、なぜ自分のちっぽけな命が大切なのか
その悩みに直面したとき、読めば何かが得られる本だ。
私の場合、彼女の生き様に圧倒され
まだ愛を知らぬ自分に気づかされ
この命の道しるべのひとつとしてとても大切な一冊になった。
このちっぽけな命でも全うしてその愛の光に包まれたい
そのために今何ができるのだろうか。
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