本書は経済小説の大家である城山三郎氏の著作約100冊の中から、作者が小説の登場人物に語らしめた珠玉の言葉を編集・再編集したものである。書かれた小説はかなり年代の古いものもあるが、時間によって色褪せることのない言葉の数々を楽しむことが出来る。
中でも「失敗」や「挫折」に対して前向きな考え方を述べている記述が多い。例えば、「失敗はしようがありません。というより、失敗の数を重ねた者ほど成功するんじゃありませんか。失敗をおそれる人、失敗にくじける人が、本当の失敗者ですよ」とか、「挫折のない人というのはありえないと思うし、もしそういう人があったとしたら、人間として実に魅力がないでしょうね。・・・挫折というものは人間にとって大切なものだし、その人自身にとってもいろいろな人生の見方の重層性みたいなものを与えていくんですね。」という言葉で、勇気付けられることもある。
「挫折」した時、「生き方」を振り返る時に読み返してみたい一冊である。