人生とは、存在とは、宗教とは、言語とは、愛とは、老いとは、というような、ともすれば「哲学的な」とされる問いについて、いわゆる哲学用語でなく平易な言葉で、かつ明晰に語ってくれた本。
素晴らしいです。いわゆる処世訓ではないし、もちろん、スピリチュアルな自己啓発書ともまったく違います。読み手に表層的な「癒し」や「元気」をもたらすものではない。時に残酷にばっさり斬るところもありますから、人によっては、むっとしたり、意味不明だ、と思ったりするかもしれません。
しかし何も奇抜なことを書いているわけでもありません。当たり前のことなんですが、おそらく普通の人は普段決して考えないだろう、本質的なことを語ります。良い刺激になります。物の見方をちょっと変えてみることによって、どれだけ自分の心が自由になったり、安定したり、幅が広がったりするか、が分かります。
「大事なことを正しく考えれば、惑わされない、迷わない」と帯のコピーにあるように、哲学することの強みをまざまざと見せ付けてくれる本、と言えるでしょう。