グレイス・ペイリーという人は、ふしぎな人である。とりたてて特別なことを書いているわけじないのよ、と、いう語りくちで、事実特別なことを書いていたりする。特別なことを書いているのか?と、読んでみれば、ぜんぜんどうでもいいことだったりする。
彼女の書くもののなかで、人生のあちらこちらに現れる幸福と不幸は、まるで同等のもののようだ。こんなことがあったわ、でもまあいいじゃない、あんなことだってあるんだからさ。そんな感じである。楽観的かと思いきや、ペシミスト。ペシミストと思いきや、ものごとを軽やかに笑ってみせる。
ふしぎな人だなあと思う。こんな人に、一度でもいいから会ってみたいなあと思う。こんな人のそばで、人生を笑い飛ばしてみたいなあと思う。何度でも読みたくなる理由は、きっと何度でもグレイス・ペイリーに会いたくなるからだ。