「壁にぶつかっている君たち」という世代ではないのですが、電車の中でじっくり読みました。格別に充実した時間だった気がします。確かに、96年のワールドカップフランス大会の出場を決めたことが、「岡ちゃん」の名を一躍、世に知らしめたという感じだ。最終予選で突然の、ヘッドコーチから監督への「繰り上げ」。当時の無我夢中があってこそ、今の岡田武史さんがあるのだなあととても考えさせられました。特に参考になったのが、選手たちに試合の映像を見せて、「ここはドリブルすべきだ、このケースはパスすべきだ」とアドバイスをすると、選手が直観的な動きを失ってしまう。「ここはどうすべきなのか」と選手が考えたとたんに不自然になってしまうから、「このパスはいいね」などという言い方をしたら選手たちの動きがよくなった・・というところ。また、岡田さん自身が脳について学習されたことにも深い関心を持ちました。今はあまり言われなくなった、「体で覚えなさい」という意味を再び考えさせられました。
王さんのお話で参考になったのは、一本足打法で三振が多くなったときに二本足に変えたら、という周りのアドバイスがあっても、「実際にバッターボックスに入って打っているのは自分だから」と、自分の感覚を大切にされて一本足にこだわったという点です。周りに従わない分、自分で考えて試行錯誤して結果を出さなければいけない、大変なプレッシャーだっただろうなと思いました。人の意見に耳を傾ける、従うという素直さも大切だけど、自分の信念を貫くこと、貫いた以上きちんと結果を出すことの意義を考えさせられました。
章ごとに、「この章のまとめ」として箇条書きにまでしてあり、とても親切な本です。でも、大事なところは自分で発見しましょう、自分で大事なところを感じましょう。良かった箇所を来年の手帳に書き写して、また電車の中で読み直したいと思います。