立川談志が語り下ろした自らの半生記。
過去にも「談志楽屋噺」など類似した内容はあったが、かなり真っ正面から、飾ることなく本音を語っている印象で、ある意味「遺言」に近い内容かとも思える。
やはり読み堪えがあるのは、円蔵、円楽、志ん朝との四天王時代のエピソードや、参議院選挙に関する政界話、落語協会分裂の内幕といったあたりか。
志ん生が倒れたため、入門わずか5年で、談志、円楽らを抜いて真打昇進が決まった志ん朝に対して、
「志ん朝の真打昇進が決まった時、彼に直接「辞退しろよ」とあたしが迫ったというのは事実です。(中略)そこで志ん朝が、「いや、兄さん、あたしは実力でみんなを抜いたと思ってる」と応えたのも事実。うん、立派だね。」なんてあたりが、個人的には堪えられないところ。
また、政治の先輩?である青島幸男について
「頭はいいんですよ。選挙にせよ、格好いいやり方で押し通したし、それで当選し続けたんだし。ただ、その格好いいやり方というのが、あたしにいわせれば野暮なんだよナ。」というのも、まったくその通り。
しかし、この半生記を読んで、談志の小さん師匠に対する愛情を、ほんとうに深く感じたなあ。