アニメーションの芝居に胸を打たれます。それから使われている音楽も迫力があってすばらしい。
エンディング曲のコーラスは菅野よう子さん。
舞台は昭和30年代風な架空の日本。
遠い昔の記憶で見たことがあるような、無いような風景。
季節的には冬を描いています。灰色の空。雲が低くて、見ているだけで年末の乾いた空気を感じます。
でも私はこの作品を、心が寒くなった時に観ています。
人は自分と似た境遇の相手に好感を持つものです。
相手の痛みが、自分のことのように理解できるからです。
そして最も不幸なことは、それを互いに確かめ合わないことです。
相手の心は解っているのに、十分伝えないまま別れてしまう出会いの、なんと多いことか。
見終わってから、また明日を生きて行く勇気がもらえるのが映画の功能のひとつであるとするなら、
見終わってしばらく瞑目し、作品だけでなく自分自身のこれまでについて振り返って思いを馳せる。
それも映画が味わわせてくれる素晴らしい体験なのではないか。
シリーズ物ですが、ほかの作品が未見でもまったく問題ありません。
現代の日本映画の水準では予算、監督、演者の問題を含め、
これだけのレベルの作品を実写で撮ることは叶わないでしょう。
私はこれを、スクリーンで観るべきだった。
おすすめします。