上巻では物理学全体を古代ギリシャ時代まで遡って書かれていたが、この下巻では現代物理に焦点が絞られています。筆者自体も現役の物理学者であるため、筆者の個人的体験なども織り交ぜながら、20世紀の現代物理の発展において偉業を達成した天才達の素顔や、彼らが世界大戦が二度も起こった20世紀をどのように生きてきたか、という事が非常に丁寧に、そしてとてもわかりやすい文章で書かれています。
これらの偉人達については参考資料も多く、また筆者の個人的な思い入れも強いのでしょう。登場人物ひとりひとりについて、非常に多くのエピソードが紹介され、それらエピソードを通して筆者が感じ取った人間像が実に優しく表現されています。アインシュタインが離婚の慰謝料としてノーベル賞の賞金を当てにしていたのは有名な話ですが、それ以外にも偉人達の人間味あふれる物語をこの本で楽しんでください。