「
化学の歴史」の読了後すぐにこちらを読みました。本書では化学における発見の事例がエピソード・人物像と共に要領よく列挙されていますが、時系列・分野という枠にとらわれず、人物を中心に記述しているところに特徴があります。「
化学の歴史」と併せて読むと(時系列が頭に入っているため)理解が深まりました。
本書を読み通すと「必要は発明の母」と「
発明は必要の母」の両方があるんだなと認識しました。「必要は発明の母」の例では「空中窒素の固定」(ハーバー・ボッシュ法)があります。(19世紀末〜20世紀初頭、人口増加→食糧難の懸念から、化学肥料の増産が焦眉の急でした) また「発明は必要の母」の例では超分子・フラーレン&ナノチューブなどがあります。(→ セレンディピティ的な発見がナノ・サイエンスの世界を切り開いてきました)
今世紀は、持続可能性、エコ・フレンドリー、低炭素社会(新エネルギー源開発)などの必要性が声高に叫ばれています。そういう必要性が今後の化学の発見・発明を促すことでしょう。また一方、
セレンディピティ的発見がこれらの必要性に上手く整合する、ということもあるでしょう。「必要は発明の母」と「発明は必要の母」の両方を意識しながら、本書のような化学史を読み直すと面白さも増すことでしょう。