しばしば言われることだけれど、国家と国民は違うもの。中国も例外ではなく、中国という国家の動きが即中国人個人の人格ではないことには思いを致しておくべきだろう(無論例外も多く、国家の如く振る舞う人もいるが)。中国人民解放軍といっても、所詮は人間の集まりであるから、そこに発生する問題は人間臭いようだ。:遅れた軍隊ということを気にしながらも、官僚主義・形式主義に蝕まれている;人民戦争の戦略思想を堅持しつつも米軍のような現代化にも力を入れている;何でも自力更生を旨とし国内完結を目指す、等等。
著者は最後のところで、日中関係は起伏を繰り返しつつも、目標達成のためならば、中国も「譲歩」「妥協」をするものであり、妥協の繰り返しはあるものの戦争に至る可能性は低いと見ている。(他方で、台湾・チベットのような内政問題には断固たる態勢を採ると見られている。)
プロパガンダの手段となっているテレビドラマから中国人民解放軍の今を読み解くという本書の視点は奇抜だが、書いていることはとても普通だと思う。今日的には、YouTubeのアドレスなんかが記載されて、このサイトを見よ、何てあると、より身近に感じさせられるだろう。