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著者のブルックスは、IBMにおいてOS/360メインフレーム用のオペレーティングシステム開発マネジャーを経験し、現在はコンピュータサイエンス学科の大学教授。本書では、OS/360用のオペレーティングシステム開発で生じたさまざまな問題をもとに、プロジェクト管理の問題点と今後どのようにすべきかを論じている。
『人月の神話』はすでに古典と呼んでもよいほど有名な本だ。もし、この本のタイトルを知らなくても、ソフトウェア開発にかかわっている人であれば「ブルックスの法則」は聞いたことがあるはずだ。ブルックスの法則の中で最も有名なのは、「遅れているソフトウェアプロジェクトへの要員追加はさらに遅らせるだけだ」というものだ。
原書は1975年に出版され、その後長い間読み継がれてきた。これは、ソフトウェア開発における問題は、本質的には変わっていないことを意味している。ブルックスの言葉はさまざまな書籍でも引用され、賛同あるいは反証が示されてきた。さらに本書では、ブルックスのもうひとつの衝撃的な論文「銀の弾などない」(1986年発表、IEEE COMPTER誌の1987年7月号に再録されている)も第16章に収録されている。この論文では、「ソフトウェアの生産性をひとりでにもたらすようなプログラミング技法は今後10年間は登場しない」と予言し、議論を引き起こした。この論文を含むブルックスの主張は、その後のコンピュータおよびソフトウェア技術の急速な発展により、一部は誤認であったことが著者自身により認められている。だが、その一部を除く大半は今でも成り立つものだ。プロジェクト管理に関心があるのであれば、一度は読んでおきたい。
第17章から第19章は、増補版刊行にあたり新たに書き下ろされたもの。ここでは、初版刊行以降の識者のコメントや著者の新たな論考(ウォーターフォールモデルの誤りなど)、あるいは誤認の訂正が示されている。その中では、ケイパー・ジョーンズ(『ソフトウェア開発の定量化手法』の著者)やトム・デマルコ(『ピープルウエア』、『デッドライン―ソフト開発を成功に導く101の法則』の著者)やエドワード・ヨードン(『Death March』の著者)などに対するコメントが掲載されている。(遠野 諒)
--このレビューは、同タイトルの増訂版のレビューから転載されています。
内容(「BOOK」データベースより)
内容(「MARC」データベースより)
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
1931生まれ。Dyke大学で物理学を専攻し首席で卒業、Harvard大学でPh.Dを取得。IBMに在籍中にSystem/360の開発を担当(1956‐1965年)。その後、North Carolina大学でコンピュータ学科を創設し学部長を勤めた(1964‐1984年)。現在はコンピュータグラフィックスやヒューマンインタラクション等の研究を続けている。1993年にIEEEのJohn Von Neumann Medalを受賞、また1999年には『人月の神話―狼人間を撃つ銀の弾はない』の業績によって、アメリカ計算機学会のACM/A.M.Turing賞を受賞など、数々の栄誉を得ている
滝沢 徹
1976年早稲田大学理工学部数学科卒業
牧野 祐子
1986年国際基督教大学教養学部語学学科卒業
富沢 昇
1978年早稲田大学大学院理工学研究科数学専攻博士課程前期修了(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)