冒頭は哲学者一ノ瀬正樹氏による,因果論の解説と,本書の著者であるヒュームの生きた時代背景を語る24頁。
ぼくのような哲学書を読むことが余り無いものにとっては、この24頁を読むことが,哲学書を読む態勢づくりとなる。
語句はどんな意味で使ってあるのか,論理はどう展開しているのか。斜め読みの癖が付いているので,この冒頭の文でそれを直す。
そして本文に取りかかれば、あら不思議スラスラと、そこまではいかずとも若干の気構えが出来ているので,ずいぶんよ読み易くなっているのである。
人間の知覚に関するヒュームの分類は分かりやすい。
「人間の心に現れるすべての知覚」はふたつに分かれており,ヒュームはひとつを「印象」もうひとつを「観念」と名付ける。
「印象」は「きわめて激しく勢い良く入り込む知覚」で、
「観念」は,嗜好や推論をするときの勢いのない心像」であるとする。
「観念」は「印象」が消えてもこころに残るため「印象」を再現するための装置となり、
人間が既知を記憶し,未知を推論できるのは,すべてこの近くのおかげなのである。
と、このあたりを経験論哲学の立脚点だと思っていいのでしょうか。
そして,今、流行の「正義とは何か」に付いてもヒュームは論考を進めるが、
経験上到達した「正義」はどう定義されるのか,こちらも分かりやすいので,是非本書で……