天野可淡、デミー・ムーアも所有している堀佳子の人形も素晴らしいが、恋月姫(こいつきひめ)の『ビクス・ドール』もそのリアルさにおいては凄まじい。実物を見る機会があれば是非見てほしい。腕の血管が浮き出ている造形力などは、まるで生きているかの様でもあり、死んでしまっている様でもある。普通のいわゆる着せ替え人形とちがい、伝統的な技法により複雑な工程を経て製作されているが、これが、焼き物(簡単に言って)だとはとても思えない程、寒気がする完成度だ。実物は200万円以上(現在はもっと高額だろう)して、とても購入は出来ないが、この写真集は速攻で購入してしまった。値段的な価値ではなく、美術品としての価値が、これから増してゆくに違いない恋月姫のビスク・ドール。趣味でガレージ・フィギアを製作する者として、憧れの作品であり、見本の一冊でもある。97点。