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まず人形たちが紹介される前半。こまやかで上品な、やさしい語りは、私のくたびれた、あせった気持ちを和らげてくれました。なんで女の子は、ままごととか、人形遊びとか、家庭を再現する遊びをするのでしょうか。あのころの、夢のなかのおうちに対する気持ちがうっすら戻ってくるみたい。小さい人なら、もっと抵抗なく自然に、この世界を自分のものにするでしょう。
きれいで高価だけれどいじわるなお人形が登場するくだりなんかは、ちょっと少女小説か少女マンガみたいなおもしろさもあります。
後半の子供たちの様子には、小さいころの、前半とはまた違った感覚をくすぐられました。小さいころって、あんまり夢中で遊んでいて、自分が人形で遊んでるのか、人形に遊ばされてるのか、わけの分からないような状態に簡単になってしまう。気がついたら夕方になっていて、だまされたような気分になる。そういう時間のことを思いだしました。
でも最高なのは、「ことりさん」という登場人物です。本当に強いってことは、他人に傷つけられないってことじゃない。本当にかしこいってことは、他人より得をするってことじゃない。こんな私でも、強く、かしこくなることはできるはず。そんな、深い大きな訴えかけを、素朴にさりげなく、でもこのうえなく美しく表現しているところは、宮沢賢治の『銀河鉄道の夜』にも似ています。どんな人にとっても読む価値のある名作です。
持ち主の子どもたちに左右される面はあるものの、
登場する人形たちは感情をもち、
血のつながりはないけれど「家族」を形成する。
しかし外見は美しいが性格の悪い人形が入り込み・・・
「だめ」っていう人と、「いいわよ」っていう人と
どっちが好き?というそそのかしにはぞっとするし、
ある人形の哀しい運命には涙が落ちる。
子どもだけに読ませておくのはもったいない物語だと思う。
子供の気持ちの変化などで、せつない気分にもなります。
昔、大好きだったお人形とか、宝物を思い出しながら読むと、
じーんとくるかもしれません。
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