「ポ・ポ・ネ・ポ」の順で説明するといいと「
最高のサービス〔セオリー〕vol.10 (講談社MOOK セオリー vol. 10)」で説いた、植木理恵氏の著作物である。概して心理学は実用的を謳いながら実用的でない本が多いが、本書はよくできていると思う。
おもしろいと思ったのは、下記のような内容である。
・「長期記憶」がよく整理されている(類似したものを固めてカテゴライズする)人が「頭のいい人」である。
ただ、単なる「物知り」ではダメで、新しく起こったことで整理や仮説を書き換えていくことができるという条件付きである。
・「裏切る人」の本質は「意志薄弱な人」である。オドオドして追従してくるのは、見捨てられたくないためであり、いざという時には大きく裏切る。
アピールするように落ち込む人ほど立ち直りも早く、また、小さな裏切りを繰り返すという。
むしろ、堂々と反論してくる人からは「裏切り」を受けないだろうという。
・「伸びる人」は戦略思考。失敗してもくよくよせず、すぐ次の一手を考える人は伸びる。
・コントロール・イリュージョン(自分がやればうまくいく、人がやるからうまくいかないと考えること)も、確かにそのような傾向は自分にも強くあると思う。
・メタ認知についての記述(自分を客観的に見せながら(あえて自分を疑って見せ自問自答する態度)話をされると説得されやすい)は心得たいと思う。
・アナロジーの力を用いずに「無」から「有」を生み出すことはできない。ビジネスで成功した人は、軒並み、昔の偉人のことをよく勉強している。
「これをどこかで真似するぞ」というアナロジーの野心を持つ人こそが、大成功の可能性を強く秘めている。
なお、本書を読んだからこそ思うのだが、ビジネスの心理学的側面について是非本を書いて欲しいと感じた。
正直、心理学の本は、個人対個人(恋愛とか)や群集心理を扱うものが多く、現代型企業内部の、ラインやスタッフで形成される集団な意思決定のプロセスの心理学的側面に特化した適当な書物はないと言ってよいと思う。