社会起業家の父と言われるビル=ドレイトンは、ソーシャルビジネスを「社会の問題をビジネスで解決すること」と定義している。
このことについて、実際の現場を踏まえて明快な説明をしている著書は少ない。
本書は、現時点で本邦としては数少ない社会起業家の実践書という印象。
・NPOではあるが事業を行う(事業型NPOの形態)
・お金儲け(収益の最大化)ではなく、社会問題を解決するために事業を行う
・ボランティアや助成金に頼らず、きちんと従業員に給料を支払う
・営利企業同様のゴーイングコンサーン経営を行う
・他の社会運動同様に思いだけで行うのではなく、ビジネスとして成立させた上で、効果的に社会問題にアプローチする
上記のように、昨今の起業家と社会起業家の違いの論争などの一端も、実績と実際の経営理念に基づいた観点で示した書籍となっている。
P.F.ドラッガーは、その著書「
ネクスト・ソサエティ ― 歴史が見たことのない未来がはじまる」において、「日本にとって問題なのは社会である」と指摘している。
日本のみならず世界において今後の課題である社会問題の解決について、シンプルな図解と章立てで解釈して解説しているという点で、本書のエポックメイキング的位置づけは評価されて良いと思う。