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人びとのかたち (新潮文庫)
 
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人びとのかたち (新潮文庫) [文庫]

塩野 七生
5つ星のうち 4.7  レビューをすべて見る (6件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

虚実皮膜の間について。正義なるものの落し穴について。愛されたいと望むことの度胸について。官能という名の死について。品格とは何かについて。永遠に解決できない問題について。そして、地中海世界の圧倒的な魅力について。…数多の現実、事実と真実を、映画が教えてくれた。銀幕は人間万華鏡、人生の奥深さを多様に映し出す。だから私は語ろう、私の愛する映画のことを―。

内容(「MARC」データベースより)

繰り返し見た映画がある、一度きりでも忘れられない映画がある。映画は心の糧の万華鏡、画面には、昔と今の、男と女の、おとなと子供の、ありとあらゆる人びとのかたちがあふれている。刺激的、心愉しきエッセイ集。* --このテキストは、絶版本またはこのタイトルには設定されていない版型に関連付けられています。

登録情報

  • 文庫: 306ページ
  • 出版社: 新潮社; 改版 (1997/10)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 4101181101
  • ISBN-13: 978-4101181103
  • 発売日: 1997/10
  • 商品の寸法: 15 x 10.6 x 1.4 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.7  レビューをすべて見る (6件のカスタマーレビュー)
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11 人中、10人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By APRICOT
形式:単行本
映画評と言うよりも、映画をネタにして人間のあり方を考えるエッセイと言う方が適切かもしれない。いずれにせよ、人間洞察に優れる塩野さんならではの、独特の視点がおもしろい。見ていない映画は(好みのジャンルでなくても)ちょっと見てみたくなるし、すでに見た映画も、なるほどそういう見方もあるのか…ともう1度見てみたくなる。

エッセイのテーマ上、人間ドラマ的な映画が多いが、西部劇にコメディ、サスペンス、アクション…といろいろな映画が取り上げられているのが良い。特に、人間のあり方とは縁遠そうな、娯楽映画についてのコメントがおもしろい。

たとえば「白いドレスの女」、悪女に翻弄されて犯罪に走る男を描いたサスペンス物である。ある種の男は、悪女に翻弄されてみたいという願望を持っており、この種の男がいなければ、悪女も悪女になりえないのではないか…という分析にはうならされた。ユリウス・カエサルは、クレオパトラの据え膳はしっかり食いながら、それに溺れる事のない男だった…という「イタリア遺聞」での記述を考え合わせると、なおさら興味深い。

また「ダイ・ハード」については、悪人たちは泥棒にすぎないのだから、主人公はあれほどムキになって戦う必要はなかったのではないか、アメリカ人の正義はがむしゃらだから…と皮肉っている。アメリカの正義が少しズレている事は最近特に顕著だが、映画の内容については塩野さんは勘違いをしている。「ダイ・ハード」の悪人たちは、確かに金目当ての泥棒だが、それをカムフラージュするために大量殺人をもくろんでいたのだから。

私が気がつかないだけで、他にも勘違いしている箇所はあるかもしれない。だが、紹介されている映画を実際に見て、それを見つけるのも一興だろう。

このレビューは参考になりましたか?
3 人中、3人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By sennotaba トップ500レビュアー
形式:文庫
初見から13年。
興味深い本であり続けている。

彼女が唯一無二の真実を教えてくれるからではない。
世に多様な生き方があり、その中でも私はコレが素晴らしいと思う。または嫌いである。と語ってくれる。

その潔さ、偏愛と言われることを恐れぬ態度に共感する。
オンナなら(いやオタクなら??)大いに共感できる。

特にゲイリー・クーパーやニック・ノルティについての文章には女性的偏愛ぶり(偏見?)が濃厚で大いに頷いた。
もちろん彼らについての感情ではなく、特定の対象に対する耽溺ぶりに共鳴したのだ。

そしてまた、彼女特有の視点にも感服する。
ファム・ファタル神話を裏返して見せた項など奥深く染み込んでいたようで、先日自分が書いたレビューに同じ論旨をみつけて慌ててしまった。
読むたびに趣きを異にして、新たな味わいをもたらしてくれる。

そして今回読み返して、いちばん心に響いたのは黒澤明「八月の狂想曲」を題材にして語った、「反省という行為」。
これまで日本人が逃げ、先送りにしてきた「戦後の総括」。
そろそろ決着を。と16年前に初版したこの本で語っていた。

焦点は違うが「先送りにしてきた」ことのツケがいま、日本人の目の前に突きつけられている。
「原発事故」という形で。
もう逃げずに決着をつけねば。と今回の再読で思った。
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7 人中、5人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:文庫
歴史ものだけでなくエッセイでも優れたものを書く塩野さん。
私も映画好きなので、これは特に興味深い内容が多かったです。
それにしても相変わらず独自の視点ではっとさせられる文章が多い。
所謂今の映画産業に関わる人達では絶対に書けないこと(というより、書いてはいけないこと?)まで率直に書かれているのが素晴らしい。
印象に残る文章を枚挙するとキリがないが、私が特に感銘を受けたのは「人間嫌い」の項。
塩野さんの文章を読んでよく思うのは、世間ではこう言われているし、表立ってそうじゃないという人はなぜかあまりいないけど、
ほんとにそうかなあ?と私が疑問に思っているような事柄に対して鋭くしかもある種官能的な視点や文章で答えを表現してくれること。
このエッセイでは、演技派を主役に据えて重い話を生真面目に造るとアカデミー賞が取れる傾向にあるハリウッドのあり方に疑問と限界を感じていた私としては、この本を読んで胸のつかえが取れたと感じたほど。
一方で、好きな役者については結構ミーハーなところも微笑ましい。
ぜひ最近の映画についての本も一冊読んでみたいところです。
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