一つの対談をまとめたのではなく、2004年から2008年まで場所を変えて行われた幾つかの対談を時系列的に並べた本です。論点は、脳科学ではなく、仏教的な「生きる哲学」についてがメインになっています。5年の時間経過というのがミソで、読み進むと、茂木さんの興味が脳の科学的解析から別の方向に広がっていくのが明らかになり、最後の方で「私に言わせれば茂木さんはどんどん禅的というか仏教的になっている」なんてコメントも出てきます。同時に、科学界の常識に収まりきらない茂木さんの自由な発想も顕著になってきます。
テーマがテーマだけに読後の爽快感はない本ですが、日々生きるということの意味をじっくり考えたい人には沢山のヒントがあると思います。