著者は小学館出身。自転車専門誌にも寄稿しているフリーライターらしい。にしては、文章はあまり得意ではないような…
「作文」的な部分で、推敲不足が感じられる。
ただ、取材相手に対する真摯な姿勢であるとか一生懸命さも、行間から伝わってくる。
それにしても、何の後ろ盾も肩書きもないフリー記者に、アームストロングやらオンセ(リベルティセグロス)監督やら、ずいぶん気さくに応じてくれるものだ。ブックカバー背表紙の著者の写真を見て、ちょっと納得。美人は得だなぁ… そのおかげで、我々も幾多の逸話に触れることができるのだから、美人とは良いものである。
こういう魅力的な方がツールの魅力を紹介してくれることで、ロードレース・ファンの裾野が広がってくれれば嬉しい。
本書では表現力というところで、言ってみれば「バットの芯には当たっているが、力負けして長打につながらない」ような印象を受けた。あまり偉そうなことを言えた義理ではないが、文章なり語彙なりの力をつけて、自身が心酔したツールの魅力を描ききって欲しいと思う。
そんな訳で★の数は3つとしたが、入門書として気軽に読め、的を外していないので安心してオススメできる。文庫版はワンコインということもあり、レースを知らない人が最初に手に取る本としては、存外に良いと思う。